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絶対に見てみたい 労働映画アラカルト

ミュージカルとパリと仲間たち


『幸せはシャンソニア劇場から』

  クリストフ・バラティエ 監督

  音楽労働映画のなかに、ミュージカル労働映画というサブジャンルを立てるとしたら、本場はもちろん米国だ。「パジャマゲーム」「ニュージーズ」など名作がすぐに思い浮かぶ。でも忘れてはならないのがフランス。ブロードウェーとは一味違うシャンソンミュージカルが楽しめる。
 本作もその一つ。1936年のパリを舞台に、劇場再建をめざす仲間たちの連帯と友情の物語だ。一種のエンプロイー・バイアウト(従業員買収による事業再建)ものといってよい。
 下町のシャンソン劇場で長年幕引きを務めてきた主人公ピゴワルは、劇場の倒産で職を失う。妻に逃げられ、息子とも引き離されて路頭に迷う。息子と暮らしたいと願う彼は仲間たちと劇場を占拠して自主興行を企てる。
 歌姫役ノラ・アルネゼデールの美声がたっぷりと楽しめる。映画のもう一人の主人公は人民戦線政府の下で沸き返るパリの街。赤旗とシャンソンは、この街によく似合う。いま、資本主義の持続可能性を巡って議論百出だ。けれども働く者が主人公にならない美辞麗句には意味がない。
2008年、仏、独、チェコ/クリストフ・バラティエ監督
(連合通信) 

 

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