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塔の島上流・河床掘削現場で土のう倒壊
わずか流量毎秒120 dでの事故       

「防災を考える市民の会」が真相究明へ

 塔の島上流左岸側で2 月初めより近畿地方整備局による河床掘削工事が実施されて来ましたが、2月26 日午後、工事箇所を囲む土のうが流出する事故が発生しました。地方紙の報道によると「午後1 時ごろで、宇治川増水に伴うものである。淀川河川事務所によるとこの日の天ヶ瀬ダム放流量は120dで土のう堤は350dの流量までに耐えられるように設計していたと言うが、なぜか崩壊した」とのことです。

 「防災を考える市民の会」事務局長は「土嚢の下から水がわき出している部分が見られる。パイピング現象やルーフィング現象による堤防崩壊の実験場となった。このようなことが宇治川堤防で起こる可能性がある」と指摘しており、「会」事務局には「強引に始めた宇治川の掘削工事で締め切り堤が転倒した事故について、当局は単なる天災で片付ける積りでしょうが、事故原因の追及と責任の所在の明確化を当局に申し入れたいところです。

 大体、関係者は土のう工法の本質を理解していません。研究結果によれば、土のうを重列に設置して前後左右の土のうを縫い合わせて連結すると転倒しません。そのような技術開発動向が地盤工学会などで幾つも発表されています」とする専門家のコメントもあります。 事故当日は、天ヶ瀬ダム本体からの放流は無く、下流域河川からの流量もそれほどでもありませんでした。大半が天ヶ瀬発電所からの放流量だけでこのような事故が発生していると思われます。

 今回の事故は、整備局設置の構造検討委員会においても検討最中で、しかも市民への十分な説明もせずに強行した中での事故です。 国土交通省は事故の原因を調査し、その結果を市民に明らかにするとともに、河床掘削の最大要因である「天ヶ瀬ダム再開発事業計画」の中止・抜本見直しが必要です。(「防災を考える市民の会」鐘鉦より)


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