京都総評青年部の「最賃生活体験」が終盤を迎えています。ワーキングプアやネットカフェ難民が社会問題となる中、最低賃金をめぐって、今年はここ数年間の「数円ほど」の引き上げではすまされない世論が高まっています。国会で審議されている最低賃金法改正案では、生活保護水準を下回る最低賃金の矛盾の解消が盛り込まれ、政府の「成長力底上げ円卓会議」や連合、野党各党も最低賃金の引き上げが課題であるとしています。アメリカでも今年10年ぶりに５・15ドルから７・27ドル（約８６０円）への大幅引き上げが決まり、先進国では日本が最も低い最賃額です。ワーキングプアをなくすため、「全国一律時給１０００円以上」の世論を一層強めるとりくみが求められています。 休日は家に引きこもるしか…　　　船井支部　Yさん 　最賃体験に誘われて、はじめて最低賃金のことを知りました。ひとり暮らしなので、１ヶ月自由に使える金額は３万円くらいです。今月は仕事が忙しくなかなか自炊できないので、５００円かかっていたお昼のお弁当の注文回数を減らしてコンビニでパンを買ったりしています。服やＣＤを買うのも我慢していますが、最低限必要な日用品にも結構お金がかかることに気づきました。でも、本当に最賃額の収入しかなければ、忙しいから外食で済まそうということもできないでしょうし、そうなったらごはんも食べなくなるんじゃないかと思うと怖いですね。 　また、今月は友達の結婚式や同期の飲み会もあります。職場が郡部なので普段なかなか会えない同期の集まりは貴重ですし、やっぱり行ってしまいます。 　いま府庁で臨時職員さんが増えているようですが、私も実際、去年は同じ職場で非常勤職員として働いていました。月15日勤務だったので、月収は最賃体験の金額と大きく変わりません。 　休日は外出すると交通費や外食などどうしても出費が増えるので、家に引きこもりがちになっていました。そんな日は夕方になると虚しくなったりします。 　この最賃では、社会関係や人付き合いができない金額だと思います。 お昼は２個３００円のおにぎりで　総務出納支部Kさん 　今年で最賃生活に取り組むのは、３回目です。１回目は達成しましたが、２回目は達成できませんでした。一番の原因は、歓送迎会が続いて出費がオーバーになったためです。 　最賃生活の節約法にも色々工夫しました。冷房器具は付けない、本やマンガは立ち読みですます。休日は、出かけるより家でゲームをします。でも、このときが一番リラックスできる時間です。 　今年も１日に１０００円程度で生活しなければならず、昼ご飯は、おにぎり２個３００円ですませます。お腹がいっぱいになれば充分だし、するめいかのように噛みごたえのあるものを食べ、空腹感を紛らわせます。おいしくないもの、嫌いなものを食べると良いかもしれません。いつも買っているジュースも我慢で、最賃生活に入るときはミネラルウォーターを安く購入しました。そのときに店から24㌔㌘を担いで帰りました。 　職場では、派遣職員さんたちの姿があります。彼女たちの昼ご飯の中味からも考えさせられます。賃金がいくらとかは知らないけど、ずっと賃金が上がらないというのは将来のない話です。 　賃金の低い人が多いからと自分たちが卑屈になったり、17時15分に帰れるからと残業している人には申し訳ないと思ったりするのではなく、常識だと思える当たり前の権利が、非常識にならないようにしたいです。 　最賃で要望することはまず、責任者が責任者たる自覚を持ってほしいですね。
臨時・嘱託賃金を時給１０００円に　府庁で働く非正規職員の声 　府職労が「臨時・嘱託職員の皆さんへのアンケート」を実施してきました。賃金や労働条件について「時給を１０００円に」などの声が寄せられました。 　「仕事内容に比較して低賃金。仕事内容も、複雑化・高度化し、さらに新たな仕事も増えているのに、賃金はまったく同じ」「統合財務をまかされるのであれば、それなりに責任も伴うので、それに見合った賃金を」「住宅費の支給を」「あと３万円ぐらいはほしい」……
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