2015年 5月28日
他の自治体が踏みとどまったのに
京都府は迷彩服を着て〝研修〟
戦闘服着用、行進訓練、防衛に関する座学、アイロンがけ、靴磨き…てっきり自衛官の日常の訓練・生活と思いきや、府職員の「危機対応・情報収集能力向上のための研修」の中身です。
府職労では、5月14日、①戦争立法に反対すること、②自衛隊での訓練・研修を中止すること、③自衛隊との共同訓練などの連携のあり方を見直すことーの3項目について山田知事あての申し入れ書を当局に提出しました。
▼防衛訓練そのもの研修は中止すべき
申し入れの場で人事当局は、研修は災害対応の一環であり、府政として自衛隊も関係機関のひとつとして連携・協力している。職員能力のUP、集団の動かし方、組織マネジメントのひとつであり、磨くべき資質・能力として、必要な研修と考える。他に適切な研修依頼先がないもとで、自衛隊を依頼先として排除するものではないと説明しました。
これに対し、森委員長は、研修内容がはたして目的に沿ったプログラムとなっているのか疑問であり、集団の動かし方という点でも、自衛隊は上官の指示は絶対の「上意下達」の最たるものであり、そのような指揮命令の在り方で良いのか、マネジメントの在り方という点でも問題があると指摘、あらためて研修の中止と戦争立法への反対を表明することを求めました。
▼「情報伝達」に迷彩服は必要か?
他府県では、三重県が同様の研修を行っていますが、主旨が違うと迷彩服の着用はさせていません。また、当時、橋下知事のもとで、自衛隊『入隊』研修を行うと宣言した大阪府は、「自衛隊のPRという位置づけであり、職員の研修に相応しくない」との判断で、研修そのものを行っていません。一方で京都府は迷彩服着用など自衛隊の訓練に『忠実』に添った研修を行っているという異様な状況です。
自衛隊の迷彩服は戦闘を含む通常勤務に着用させていることから、「自衛隊員であることの証」となるものです。京都府の対応は、他の自治体が踏みとどまった「越えてはならない一線」を、あっさりと越えてしまっています。このことは、京都府の見識が問われる事態と言っても過言ではありません。
職場からも、「災害対応訓練とは聞いていたが、これでは防衛訓練では無いのか」「京都府当局はやって良いこと、いけないことの判断もできなくなったのか」などの声も上がっています。
災害対応で浮きぼりとなったのは、地方機関の再編で、現場が遠くなったことによる即応性の欠如と交代要員を確保できない執行体制の脆弱化です。
再編11年の総括と見直し、人員増による執行体制の充実こそ、求められるものではないでしょうか。 |
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