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府職労ニュース



2014年 3月.31日

いまこそ 憲法を暮らしに生かす府政に
「限界職場」で精神疾患が急増

府職員から見た府政の現状

 京都府職労連は、次のようなことを紹介しています。(府職新聞より)

 府職労連が昨年11月に行った「超勤実態アンケート」に、10・5%の回答者が職場で「パワハラあり」と答えたことは、職場の厳しい状況を表しています。「バリバリやるタイプの他の島の副課長が若い職員にキツイ言葉を毎日言い続けている」「課長からのどなりつけ。人事評価のフィードバックを未だしてもらえない」「課長のパワハラ(どなる、いやがらせをする、休日にTELする)」「人格の否定、無能扱い」など、リアルな職場実態から伝わるのは、フラット化と定数減で互いに助け合うことができない、ギスギスしたブラックな職場状況を如実に表しています。

▲知事の「政治決断」で賃金の大幅削減さ・京都経済への大打撃

 山田府政は2012年の400万円超の退職金削減に続き、昨年7月から、府職員の賃金を平均6・79%削減しました。民間労働組合からも京都経済への重大なマイナス効果を懸念し反対の声が広がり、日銀京都支店は「府職員・教職員の給与削減について、GDPを0・145押し下げるマイナスの影響があり、影響も広範囲に及ぶことから大変な懸念をしている」と語りました。

 給与カットは、削減効果が64・5億円、諸手当のカットで8・1億円という大幅な削減であり、職員は月額3~4万円の削減額となり生活を直撃しました。しかも、全国知事会の会長の「政治決断」は、全国に波及、自治体の賃金削減に拍車をかけました。

 府職労や府職連との交渉で、激しく追及され追い詰められた京都府当局は、交渉の席を一方的に立つという歴史的暴挙を強行し、労使合意抜きで府議会提案、特例条例は与党の賛成で成立しました。

 京都府民の給与所得は、1997年には全国平均を上回っていましたが、2012年には全国平均よりも42万円低くなっています。この15年間で見ると、給与所得は全国で約70万円減っていますが、京都はその1・8倍の125万円も減っています。昨年の府職員の給与削減の強行は、府民の給与所得をさらに引き下げる役割を果たしています。

 京都の給与所得の大幅減は、京都経済を落ち込ませる大きな要因になっています。

▲「構造改革」路線持ち込みで精神疾患、自殺者が急増

 山田府政の12年間で急増したのが、「心の病」と「サービス残業」です。精神疾患で7日以上連続した休職者が一番多かったのが2007年、366人の休務者のうち112人に上りました。それ以降、毎年80人を超えています。2012年度には204人の休務者中、精神疾患が93人に上っています。毎年約半数が精神疾患による長期休職者です。2011年には、5人の自殺者が出ています。

 この背景には、山田府政による「小泉構造改革」の府政への持ち込みがあります。2003年には「京都府行財政改革指針」を策定。組織のフラット化・グループ化を推進。2004年には地方振興局・保健所・土木事務所を統合。

 2005年には「経営改革プラン」を、2006年に「給与費プログラム」を策定。職員を5年間で1500人削減するという「目標」に向けて、年度ごとの数値目標が定められ、フラット化・グループ化と広域化で削減された組織をさらに絞り込むというやり方は、さながら「乾いたタオルを絞るもの」と揶揄され、組織の弱体化が進められました。

▲災害現場は人不足統廃合の誤り認めない知事

 今年の2月定例府議会のことです。2004年の振興局や土木事務所、保健所などの統廃合について質問を受けた山田知事は、「町村会長は、『もう振興局は邪魔だ』と、実力もないのに口だけ出してきて、『もうそんなものはいらない』っていう話まで出たんですよ。その中において、実力のある広域振興局をつくるのが目的だ」という趣旨の答弁。

 当時の『府職新聞』で振興局や保健所、土木事務所の「再編」についてたくさんの市議会が「意見書」を採択したことを報じています。亀岡市議会は「今まで通り、すべての機関を亀岡市に設置すべき」との意見書を市議会の意見として市に提案。京田辺市議会は「維持・存続を求める意見書」を全会一致で採択、八幡市議会は「行政サービスの低下を招くことのないよう配慮すること」との意見書を全会一致で採択。ほとんどの市町村は、振興局や土木、保健所の統廃合には反対だったのです。

 また、昨年の18号台風について、人的被害が発生しなかったことに対して「土木事務所の職員ががんばった」と、自分の手柄のように答弁。

 土木事務所の統廃合によって職員は遠距離通勤、事務所から遠い現場を強いられました。技術職員が削減された中で、身を削って災害対応をしています。職員がいつ犠牲になってもおかしくない状況です。「府民の安全を守るのが府職員だから」という「職員魂」が生きているからです。

▲苦労に報いず一方的に「雇い止め」

 「給与費プログラム」によって1000人以上の職員が減らされました。しかし、仕事量は増えています。それを補っているのが、臨時・非常勤職員です。「超勤手当も出ない」「超勤分は、振り替えて休め」といわれても、仕事量の多さで休めない人もいます。それでも、3年たったら「雇い止め」。3年という歳月で仕事をおぼえ、仕事に意欲を持った時に「辞めさせられる」臨時・非常勤職員。

 今年は、振興局の消費生活相談員さんが2人のところ1人に削減されようとしています。山田知事は、「2日に1件、30分程度の相談しかない」「あとは自習」しているとの議会答弁。市町村との相談、啓発、研修など身を粉にしてがんばっても「ご苦労さま」の一言もなく、職員の尊厳まで傷つける冷たい答弁に怒りが広がり、府職労は「雇い止め」の撤回を求めています。

▲地方税機構の発足と臨時・非正規職員の増大

 2010年には「全国初の徴収と課税の共同化」との触れ込みで、地方税機構が発足。スタート直後は支援パソコンが職員数ない、釣り銭がない、事務所経費も少ない、封筒も白紙の茶封筒で、架空請求と疑われるなど、全く準備が整わない状況での「強行スタート」でした。

 2011年に知事は全国知事会長に就任。この年には自殺者が5人に上り、2012年には新たな人事評価制度をスタートさせるなど、組織定数リストラの総仕上げともいえる状況となりました。そして2013年当初には、退職手当の改悪と引き替えに全国知事会長として「国にもの申す」と反対してきた給与カットの国からの強制も、5月にはあっさりと実施を表明。あの言葉はいったい何だったのかとの声が出ています。
2014年3月20日   
京都府職員労働組合連合  執行委員長 森 吉冶