2014年 9月17日
経験したことない大雨 被害の爪跡
福知山豪雨 2500軒超が浸水
8月17日未明、人々の寝込みを襲った記録的な豪雨。福知山市が午前5時30分、夜久野町の1604世帯3822人に避難勧告を発令したことによって市内全域が避難地域となりました。17日朝までの24時間に降った雨量は300ミリを超え、気象庁が統計を取り始めてから最も多い数値となりました。国道9号など道路は各地で通行止めとなり、鉄道も運休、市街地は広範囲で浸水し、多くの車両が水没しました。土砂崩れも複数発生し、1人が病院へ運ばれました。
○鳴りやまぬ雷鳴 不安つのる
浸水家屋は、床上・床下浸水合わせて2500軒を超えました。
豪雨から2週間たって、一部の地域だけですが現地を視察しました。聖佳町では、住宅の前の斜面で土砂崩れが発生、民家に土砂が流れ込みました。土砂は片づけられていましたが、住宅地の方たちは、不安を募らせています。
「夜中の2時ごろから、ひどい雷が鳴りつづけ、怖かったですよ。40年ぐらいここに住んでいるが、こんな雨は初めて。土砂崩れの音も聞こえないほどの雷と豪雨だった」「雨が降って、石ころが落ちてくると、また土砂崩れがあるんではと、怖くなる」と語っています。
○里山が表層なだれの様相
福知山市山野口では民家の裏山が崩れ、迫ってきた土砂などで築150年の母屋のほか、離れ、物置の3棟が大きく傾く被害がありました。また、別の場所でも土砂崩れが発生し、大江町へ抜ける府道が通行止めになるなどの被害が出ています。
市内を流れる弘法川の中ほどで河川が氾濫、上流から立木や土砂が流れ込み橋でせき止められた模様。緊急な復旧工事が始まっていますが、川床は土砂で高くなり、橋の下にはいまだに土砂が堆積している状態です。
○源流域でも田畑 家屋に被害
榎原川を遡上していくと、2年前の宇治豪雨による被害によく似ている状況を見ました。川がえぐられ、せき止められた橋を越えて濁流が家に流れ込み、道路・田畑を侵食していました。
福知山市内は、体験したことのない雨量によって1000を超える事業所をはじめ、市内中心部が広く浸水被害に遭いました。能力が追いつかず、排水ポンプが稼働不能になり、国土交通省のポンプ車が兵庫県の姫路や豊岡ら応援に駆け付け、排水にあたりました。
豪雨は、京都では毎年のことになっています。この実態に対処していくには、従来の想定の再検討と抜本的な対策が求められています。
福知山豪雨により京都府の庁舎も切迫した状況に直面しました。福知山児童相談所のそばの小河川が氾濫、橋の両側が豪雨のため崩壊し、道路にも濁流があふれ、相談所が浸水の危険に直面。一時保護の児童もおり、職員の応援が求められました。降り続ける豪雨の中を相談所まで駆けつけるのは、危険を伴いましたが、所長をはじめ4人の職員が無事に到着。緊急事態に対応しました。
川の氾濫により、相談所の玄関まで水が押し寄せましたが、毛布を隙間につめるなどでせき止めることができました。
災害対応に対処する体制をどう作るのか、特に危険な中での対応については、住民や職員の安全を守ることを優先しつつ対策を確立することが求められています。
泥だし・畳上げなどボランティアに奮闘
職員の健康管理など要求
8月15日夜から断続的に続いた大雨により京都府全域で多くの被害をもたらしました。府内各地で2700軒を超える家屋の浸水被害が発生し、人的被害も発生しています。
○自治労連大会中もボランティアに参加
福知山市では、市内中心部をはじめとして2500軒を超す建物に床上・床下浸水が発生し、周辺地域では土砂崩れも発生、一刻も早い復旧が求められています。
こうしたもとで、府職労連では、ボランティア参加を呼びかけ、19日から主に福知山市内に入って、住民とともに泥だしや畳上げ、清掃などにあたりました。
自治労連大会が京都で開催中の8月23日(土)24日(日)も福知山でのボランティア作業に多くの組合員が参加しました。23日(土)には京都総評が呼びかけたボランティアに、4支部から5人が参加。参加者は泥だらけになりながら、清掃活動に精を出しました。
○災害にかかる要求書を申し入れ
本部では、8月22日に当局に「8月15日からの京都大雨災害に係る要求書」を申し入れました。要求書では、台風11号から長期間の警戒等で、対応に追われる職員の健康管理、休養確保について特段の配慮や、必要な執行体制の確保、被災による保育や介護等施設の代替施設への送迎に伴う必要時間の配慮、夏季休暇取得期間の柔軟対応、頻発する災害に機敏に対応できるよう組織の見直し、被災者の生活を支援する制度の創設・拡充等を求めています。
(京都府職新聞 2014年8月25日・9月10日合併号記事より)
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