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府職労ニュース



2013年 3月.29日

風光明媚な丹後半島に米軍基地
Xバンド配備計画

 防衛省の説明に住民不安 

 航空自衛隊経ヶ岬分屯基地(京丹後市)への米軍「Xバンド・レーダー」配備問題で、京丹後市の要請を受けた防衛省は、3月11日(月)宇川小、12日(火)丹後地域公民館で、住民説明会を開きました。宇川小では住民ら240人が参加。米兵による犯罪や電磁波による健康被害や景観破壊、攻撃のリスクへの不安な声が率直に出されました。

▼人員は米兵など160人程度

 防衛省近畿中部防衛局の及川博之局長らは、候補地選定の経緯や配備目的などを説明し、∇人員は最大160人程度の米軍関係者を配置(先行配備された青森県の車力基地は約100人)∇法制度上は米軍基地となる∇車力基地では米軍関係者による計9件の傷害事件や交通事故があった∇基地南側の数ヘクタールの土地を買収(下図)―などと説明しました。

▼米兵犯罪、健康、環境など不安

●沖縄の米軍の犯罪を例にして「(治外法権となるので)基地に逃げ込めば逮捕できないことになる」。
●そもそもこのレーダーの配備は、日本の防衛のためではなく、米軍のミサイル防衛のためではないのか。
●ほんとうに身体に影響はないのか。安全な周波数帯というが、出力はとんでもなく大きい。害があるのではないか。風評被害をどうするのか。
●この地域(宇川地域)は風景が財産。それを壊してまで、(配備する)必要があるのか。
●今でも農業用水が不足している。その上160人も増加して、どう水源を確保するのか。
●市長はどのような態度表明をするのか。
●もし、市長が反対したなら、国は配備しないのか。など……
 防衛省側は、「理解をいただきたい。国、地元、米軍と協力して、事件・事故の防止に努める」と回答するにとどまりました。

▼丹後半島がミサイル攻撃の標的に

 府職労連は、京都自治労連、安保破棄京都実行委員会などともに現地取材や学習会を開催し、明らかになった問題点をまとめました。

 ①人への健康被害は出ないのかという質問に対し、海の上に向かってレーダーを照射するので影響はない。レーダー正面は熱があるので立ち入り禁止区域を設けるとしていますが、区域の範囲やレーダーの「出力」も明らかにせず、どうして「安全」を保障するのか。

 ②沖縄のような婦女暴行事件が起こるのではないかとの質問に対しても、車力基地では殺人事件などの重大事件は起きておらず、地元、政府、米軍の三者で防止に努めると答えるのみであり、なぜ「大丈夫」と言えるのか。殺人事件がなければ良しというのでしょうか。

 ③レーダー配備は先制攻撃の標的になるのではとの問いに対し、日本全土にレーダー網があるから京丹後だけがねらわれるわけがないと答えますが、イラク戦争でも米軍は最初にレーダー基地をたたいたという例があります。最初にねらわれるのはレーダー基地であり、丹後の危険性が増すことを否定できません。

▼Xバンドはアメリカのため

 米国ヘーゲル国防長官は15日、記者会見し、北朝鮮の長距離弾道ミサイルによる攻撃からアメリカ本土を守るため、日本への高性能レーダー設置を急ぐ方針を発表しました。Xバンド・レーダーの配備は米国自身が認めているように、米軍の「ミサイル防衛システム」強化のためであり、京丹後市が米国の先制攻撃の最前線基地になることを意味します。

 地元住民が誇りにしている自然豊かな京丹後に、米軍基地はいりません。