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府職労ニュース



2013年 3月.18日

Xバンドレーダー配備許すな
京都府職労連、京都総評など知事に要請

 丹後半島の住民から強い懸念 

 安倍首相とオバマ大統領の日米首脳会談をうけ、2月26日に防衛省事務次官らが京都を訪れ、米軍のXバンドレーダーの配備を、京丹後市、京都府に説明を行いました。(写真は、丹後半島の自衛隊通信基地。ここにXバンドレーダー米軍基地が予定されている)

 府職労連として2月27日に知事に申し入れを行い、平和と安全のみならず農林漁業の許可、補助金をうけた圃場整備地の行政上の手続き、環境と観光等への影響など地域と府民の安全・安心を守る府の役割の発揮を求めました。

 3月8日には、京都自治労連と京丹後市職労、京都総評、新婦人が相次いで京都府知事に緊急要請を行いました。要請では、知事がXバンドの配備に明確に反対することを表明するよう求めました。

 総評の要請に対し、京都府の担当者は「知事も府民の安全・安心が第一と常に言っており、府内でははじめてのケースでもあり、京丹後市とも連携し、きっちり調べて対応したい」と回答しました。

 Xバンドレーダーは、アメリカのミサイル防衛計画の一環として配備されてきたものです。ミサイル防衛は、あくまでアメリカ本土を守るために3段階で守る構想で、第一段は、相手国がミサイルを発射した段階で対処、第二段階は大気圏外の高度でイージス艦のミサイルによる迎撃、第三段階はパトリオットミサイルによる最後の段階で打ち落とすとしています。

 アメリカのミサイル防衛局(MDA)のブックレットでは、「多目的のXバンドレーダーは、大陸間弾道ミサイルと中距離ミサイルの脅威から米国を防衛するため」の配備としています。

景観を破壊してまで作る必要あるのか
 
Xバンドに地元住民に不安
京都丹後市で防衛省の説明会

 京丹後市は、3月11日(月)宇川小学校体育館で、12日(火)丹後地域公民館で、いずれも午後7時30分から9時まで、Xバンドレーダーの追加配備計画に関する住民説明会を開催しました。防衛省の局長が、候補地選定の経緯や配備の概要などを説明しました。そして、最大160人程度の米軍関係者が配備になることや、基地南側の数ヘクタールの土地を買収する予定であることなどを述べました。

 宇川小学校の説明会には、住民ら240人が参加し、関心の高さを示しました。そして、防衛省の説明後、次のとおり住民から質問が出さ、不安に思っている心情が語られました。

【住民が表明した質問や不安】
●沖縄の米軍の犯罪を例にして「(治外法権となるので)基地に逃げ込めば逮捕できないことになる」
●そもそもこのレーダーの配備は、日本の防衛のためではなく、米軍のミサイル防衛のためではないのか。
●この地域(宇川地域)風景が財産。それを壊してまで、(配備する)必要があるのか。
●市長はどのような態度表明をするのか。
●もし、市長が反対したなら、国は配備しないのか。
など・・・・・・・・
 防衛省側は、「理解をいただきたい。国、地元、米軍と協力して、事件・事故の防止に努める」と回答するにとどまりました。

Xバンドレーダーとは

 Xバンドレーダーは、米国の「ミサイル防衛」(MD)システムの一部で、アメリカ軍がアメリカ本土を弾道ミサイル攻撃から守るために配備を進めているレーダーです。小型の弾道ミサイル弾頭を探知・追尾するために、7~12・5GHzと高い(Xバンド)周波数を使用することから発信出力がメガワット級と大きく、その推定探知距離は5000kmといわれています。

 防衛庁の説明では、Xバンドレーダーが放射する電磁波は強い加熱作用があり、立ち入り制限区域が設けられるという。レーダーの前にチョコレートを置くと、ドロドロに溶けるといい、さながら巨大な電子レンジが置かれた様な状況となり、電波障害や人体への影響が心配されます。

 また、運用にあたっては100人規模の要員が必要となり、管理官舎などの建設が検討されるなど、京都に米軍基地が作られることになります。Xバンドレーダーの配備は、攻撃目標とされる恐れが有ることから、京丹後市民が戦争の脅威にさらされる危険性をはらむものです。