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府職労ニュース



2013年 6月.20日
憲法25条の基本に立った生活保護行政の確立を
参院での改悪法案廃案求め声明

 京都府職労連

 生活保護法の改悪案と生活困窮者自立支援法案が衆議院で十分な審議もなく、強行されました。京都府職労連は、参議院で廃案にするために次の声明を発表しました。


 
安倍内閣は、1950年の施行以来となる大改正となるにもかかわらず、関係者の意見の聴取はもちろん、十分な審議を行わず衆議院を通過させました。

 「改正」案は、違法な「水際作戦」を合法化し、扶養義務を事実上要件化しようとするものです。

 生活保護法は、「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と宣言しています。今回の「改正」は、その理念を揺るがす重大な問題といえます。

 自治体における生活保護行政にかかわって、山田啓二京都府知事は、今年の年頭のあいさつで「生活保護受給世帯数が過去最多を更新するとともに、若年層をはじめ、非正規雇用者の割合が依然高く、先の見えない不安が広がっており・・・私たちはこうした現実に向かい、一つ一つの解決の道をしっかりと提示し、克服していかなければなりません」とのべています。その解決にあたり、今回の改正は大きな障害をもたらすといわざるをえません。

 また、京都府では、かつて蜷川知事が生活保護に係わって「人びとの暮らしを、明日は今日よりもよくするってことを忘れてはならない。単に情だけでなく、日本の社会のレベルを上げていくうえにおいても大事なことです。生活保護法の規定をそのままやると、いつでもおさえつけることになるが、本来、貧乏から少しでものがれるようにしていくのがねらいだと思います」と昭和43年の民生児童委員委嘱状伝達式で行政の基本姿勢をのべています。

 京都府の生活保護行政の現場では、そうした理念のもとに、「利用しやすく自立しやすい」生活保護制度をめざす実践が行われています。今回の改悪はそうした現場の努力に水をさすものにほかなりません。

 いま、政府の経済財政諮問会議が、生活保護費と地方交付税の削減を焦点に攻撃を強めています。今回の改悪は、地方自治と社会保障全体を解体する一里塚ともなるものといえます。

 私たちは、参議院における廃案をめざすとともに、組合員、職員、府民の間での議論と日本国憲法第25条を基本とした実践をよびかけるものです。
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