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府職労ニュース



2013年 9月.17日

最賃を1000円以上に
中小企業への支援も要求

京都総評が京都労働局に異議申し立て

 京都地方最低賃金審議会は8月26日、京都労働局に最低賃金を14円引き上げるよう答申しました。

 京都総評は9月9日、「現行759円を14円引き上げ773円とする金額は、最低限の生活ができる賃金の保障」にならないこと、「金額は、生活保護水準を下回る水準」であること、「ワーキングプアの解消、地域経済の再生のためには、少なくとも時間額1000円に早期に到達することが必要であり、大幅な引き上げのための方向を示した審議」を求め、異議申立書を京都労働局長に提出しました。

 

異議申出書

 

 最低賃金法第11条の2項にもとづき、平成25年8月26日に京都地方最低賃金審議会から貴職に答申された最低賃金の改正答申に関して以下の通り異議申出を行ないます。

なお、地域経済が悪化する中、最低賃金改善に努力している中小零細企業への支援策が重要だということについて審議会が真正面からとりあげられたことを評価します。京都の適用除外をなくし、支援制度の抜本的な改善と拡充をはかるために、京都地方最低賃金審議会答申をふまえて貴労働局が積極的な役割を果たし、政府に改善を引き続き求めていただきたいと考えます。

 

【異議の内容】

(1)現行759円を14円引き上げ773円とする金額は、最低限の生活ができる賃金の保障とはなりません。

(2)中央最低賃金審議会が示した生活保護と最低賃金との乖離額は実態を正確に反映したものではなく、比較する生活保護水準について議論が必要です。答申された金額は、生活保護水準を下回る水準です。

(3)ワーキングプアの解消、地域経済の再生のためには、少なくとも時間額1000円に早期に到達することが必要であり、大幅な引き上げのための方向を示した審議を求めます。

 

【異議の理由】

(1)アベノミクスがかかげた景気を良くしていくための目標の中には、物価を2%程度上げることが含まれています。中央最低賃金審議会が示した目安は、そもそもこの数値をクリアーしておらず、政策的な整合性がないだけでなく、中小企業支援策についての具体策が欠けたものでした。京都の審議会の答申は、目安を2円上回り、中小企業支援策についての要望事項を入れるなど積極的な面がありますが、不十分であることは明らかです。

      日本の最低賃金は、先進諸国でも異例に低く、このことは、ワーキングプアが社会問題となる中、社会全体でも認識され、2007年の最低賃金法の改正や2010年6月の政労使合意にもなったもので、とりわけ政労使合意の早期の実現が求められます。つまり、現行の最低賃金は低すぎるため、早期に大幅に引き上げ修正していく作業の途上にあるとも言えます。年収200万円以下程度はワーキングプアだと言われて久しい状況ですが、この金額ではまともな生活が送れないのは明らかです。

(2)生活保護と最低賃金との乖離については、意見書で示したとおり、試算方法に問題があるため、最低賃金水準の賃金だと生活保護を受給できる労働者が存在しています。生活扶助について府内級地の加重平均をとる問題、住宅扶助を実績値で見る問題、勤労控除を加味しない問題など、審議を深め是正する必要があります。私たちの試算では、意見書で示したとおり、乖離額はきわめて大きいものです。法の趣旨に反するこうした事態を早期に無くすことが求められています。

(3)地域の経済の落ち込みをどのように改善していくのかに関して、地域の需要をいかに改善するのか、そのために、賃金の改善をはかること、とりわけ低賃金の改善が必要です。貴局の調査では、京都の労働者の内、時間額800円以下で働く労働者は82,381人、集計全体の18.2%で(昨年91,474人20・2%)、内パートだけの場合67,583人36.8%(昨年70,494人、38・9%)です。1000円以内だと約21万人です。こうした人々の賃金の底上げをはからないと需要喚起はできないと考えます。

地域経済の活性化を促進するためには需要の拡大が必要で、その最大の保障は賃金の底上げ、最低賃金の引き上げです。

以上