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府職労ニュース



2013年 9月.19日

帰りたくても帰れない放射能汚染地域
福島・楢葉町、富岡町へ

京都自治労連と府職労で視察

 いま福島はどうなっているのか、あまり報道されない楢葉町や富岡町はどうなっているのか。詳しい状況はなかなか知らされない。一方で、福島第一原発の汚染水は危機的な状況にある。毎日の報道では改善する見通しが立っていない。それどころか汚染水が地下に浸透していっている。(写真は、上から常磐線富岡町駅前は2年半前のまま)

 いま、国道6号線は富岡町のある程度のところまで侵入が自由になっている。昼間は避難指示解除区域には入れる。しかし、決して放射線量が低くなったわけではない。 京都自治労の福島視察は8月28日に行われ、京都府職労から2人が参加した。

 そこで見たのは、原発事故によって突然避難を余儀なくされた地域の住民は、いつ故郷に帰れるのだろうという悲観的な状況だった。帰還困難区域ゲートの前では、5・4~6・4マイクロシーベルトという高い線量が表示された。これを1年間浴びると50ミリシーベルトになるという。一般的には、京都の線量は0・04マイクロシーベルト、1年間で1ミリシーベルトだという。富岡町の一部の区域が警戒地区から除外されたといっても、とても帰ることはできない。放置された家は、立派なものも多い、避難している家族は、そう簡単には我が家を訪れることはできない。損壊した家は、夏の草が生い茂り、家は荒れるばかり。(写真中、駅前の駐輪場もそのまま。東電の捨て看が白々しい)

▲増えつづける黒い土嚢

 除染作業が進められているが、いくら水で洗い流しても見通しはなかなかつかない。草や土など除染された黒いフレコンバッグ(土嚢)は、住民が使っていたグラウンドや田んぼに置かれている。その量が毎日増え続け田んぼがどんどんつぶされていっている。(写真下、除染された土壌などは田んぼに置かれ、その面積は広がるばかり)

 汚染水のタンクも増え続けているが、黒い土嚢も増え続けている。最終処分の見通しさえついていない。政府がいくら計画を発表しても信用性はゼロに近い。

 楢葉町の名高いJビレッジスタジアムは除染作業員の仮設住宅になっていた。きれいな芝生はすべてはがされていた。

 避難指示解除を急ぐ政府。そんな状況ではないことは、一目福島を見ればわかる。ましてや再稼働なんてとんでもないことだろう。