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府職労ニュース



2012年 4月9日

不合理な過労死認定機銃の見直しへ引き続き奮闘
中田衛一さんの過労死裁判等終結へ

両親が上告断念で「支援ネット」がお礼 

 大阪高等裁判所は2012年2月15日トステム綾部株式会社への損害賠償請求を棄却する判決を下しました。ご両親は上告を断念し、5年にわたった裁判闘争は終結することとなりました。

 認定闘争に始まったこのたたかいを通じて、労働行政も被告会社トステムもついに最後まで中田衛一くんの死の原因に真摯に向き合うことはありませんでした。勝利の報告ができないことはたいへん無念でありますが、熱い支援のおかげで毎回の裁判では傍聴席をいっぱいにすることができ、裁判所への要請署名は累計で3万筆近くに上りました。みなさんの支援はご両親を励ますとともに私たち中田ネットが運動をここまで続けてこられた原動力となりました。たたかいのなかで寄せていただきましたたくさんのご支援に対しまして、深く感謝申し上げます。

 私たち中田ネットはこの裁判に取り組むにあたって、「過労死は他人事じゃない。私たち自身の問題だ」と考え、「過労死のことを考えよう」と発信してきました。私たちが取り組みのなかで繰り返した問いかけは、この裁判を通じて出会った多くの青年が働きすぎの問題を自身のものとして考えるきっかけを作り出し、中田君の人生と死は多くの人の心に様々なかたちで残ることとなりました。

 私たち中田ネットにとっても大きな成果だったと言えると思いますし、青年の過労死問題を取り組むうえで必ず今後へとつながるものと確信しています。

 中田君が亡くなって10年以上が経った今も青年の過労死はなくなるどころか、増加し続けています。この辛く重い現実を前にするとき、裁判を始められたご両親の「二度と過労死で苦しむ人を出したくない」との願いが実現するまでにまだ相当の時間がかかるだろうことも率直に認めざるを得ません。いまだ多くの過労死が社会に告発されずに埋もれてしまう実態を変えるためには、現実にあわない不合理な過労死の認定基準が改善される必要があります。そして何よりも過労死を生まないためには、労働時間管理もないまま青年を長時間過密労働へと駆り立てている企業の責任を問い続けることとあわせて、人間らしく働けるルール作りなどの社会を変えていく取り組みが求められます。

 裁判は終結しましたが、この社会から過労死をなくしていくためのたたかいはこれからも続きます。中田ネットとして運動してきた私たちも、取り組みの形を変えながら、今後もみなさんと力をあわせたたかっていく所存です。

 本当にありがとうございました。

                                            
中田衛一22歳過労死裁判支援ネットワーク