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府職労ニュース



2012年10月15日

脱原発へ竹資源のマテリアル利用
再生可能エネルギーとふるさと再生へ現地視察と学習

宮津市の「バイオマスタウン構想」 

 9月17日(月)、府職労と京都市職労、京都自治労連と共催で「再生可能エネルギーと地域づくり学習懇談会」を開催しました。全体で24人が参加。府職労からは森委員長をはじめ6支部10人が参加しました。(写真は、竹を利用したバイオ施設)

 午前中は宮津市「みやづ歴史の館」で宮津市自立循環型社会推進室環境政策係長から「バイオマスタウン構想」についてレクチャー。市長が早くから脱原発方針を掲げて来たこと、みやづビジョン2011で地域経済力を高めるための自立循環型社会構造への転換と定住促進を重点戦略としていること、脱原発と戦略の具体化がバイオマスタウン構想にあること、その原料として未利用資源である竹を有効活用し、エネルギーの地産地消・竹資源のマテリアル利用、ひいては竹林再生整備の相乗効果があると説明。市民参加で竹資源の確保の取組が拡がりつつあることが報告されました。

 つづいて、渡邊地域経営研究所主宰の渡邊信夫さんから再生可能エネルギーとふるさと再生について講演。「避難生活中の福島原発周辺住民のおばあさんが私の手を握って『私たちはいつ帰れるのか』と尋ねて来られたが、私は首を横に振るしかなかった。おばあさんは『私らは馬鹿だった。原発建設を認めた時に地獄行き列車に乗った様なものだった』と悔いて自分を責めておられたこと、37年前の久美浜原発建設反対運動とその勝利は後の歴史で正しかったことが証明されたこと、日本は環境省の2010年ポテンシャル調査でも世界有数のエネルギー資源大国であり、ドイツに学んで脱原発エネルギー政策の転換が急務であることを強く訴えられました。

 昼食後、宮津バイオマスエネルギー製造事業所を視察。宮津市自立循環型社会推進室産業創出係の職員さんの案内で施設内の設備等についてレクチャー。本業は企業誘致であるが、これまではうまくいかなかったものが、竹資源の活用の取組に企業も興味を示し、地域活性化への足がかりとなる兆しが生まれていることを紹介。参加者からも年間の竹資源の消費量やノウハウの蓄積・利活用の在り方、企業と行政、市民の関わり方などたくさんの質問が出されました。

 その後、みやづ歴史館で討論。「エネルギーの地産地消、使用目的あっての発電という考え方は成功している例が多い」、「過疎化対策や地域の後継者づくりも視野に入れて再生可能エネルギーを推進することができるのでは」、「行政主導で作ったものは実際には使えない。現地現場の声をカタチにしていくことが大事」などの意見が出されました。

 最後に、①再生可能エネルギーの到達点を正確に掴み、起点にした議論の展開、②行政に再生可能エネルギーの専門家がいない現実を改め、住民の立場に立った専門家の育成が必要、③情報共有や資料提供などに資する人的ネットワークの構築を確認し、今後も単組ごとの議論と活動交流を継続していくことを約束して懇談会を終えました。