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府職労ニュース



2012年 8月20日

実効ある公契約大綱に
公契約条例制定と京都府公契約大綱にかかわる要請書

京都総評 

 京都総評は8月3日、京都の山田知事あてに府公契約大綱に対し要望書を提出しました。

 
公契約条例制定と京都府公契約大綱にかかわる要請書

  貴職の日ごろのご活躍に敬意を表します。
 私どもは地域経済の健全な発展をめざすことを基本に、官製ワーキングプアへの対処としての賃金下限の設定や、相場賃金の確保のための対処をしていくことをはじめとする内容の公契約条例の制定を求めてきました。公契約についての改善をしていくために、引き続き公契約条例の制定を求めます。

 貴職は5月8日に京都府公契約大綱を発表されました。京都府内業者への発注や元請下請け関係の改善など多岐にわたり、こうした改善点について、実効あるものとすることに大きな期待を寄せています。

 つきましては下記事項について引き続きご検討、改善をお願いするものです。

                                            記

Ⅰ、公契約条例を制定し、発注者責任、受注者責任を明確にし、公契約のもとで働く人々の賃金の最低基準の設定と、その職種の相場賃金を保障するしくみをつくるとともに、条例の実効性の確保をはかることを求めます。また、国に対してはILO94号条約の批准と公契約法の制定を求めていただきたい。

Ⅱ、京都府公契約大綱に関して以下の諸点について具体化されるよう求めます。
(1)労働者への公正な賃金や適正な労働条件を確保していくことはきわめて重要なことだと考えます。当該業務にふさわしい水準の賃金の確保やワーキングプアをなくしていくことは、働く人々の生活を守ることだけではなく、仕事の質の確保、技術の伝承、受注企業の健全経営と地域経済活性化への貢献などにつながるものです。そのため「労働関係法令等の遵守」にとどまらず賃金に関する設定の具体化を、この大綱に基づいてはかっていただきたい。

①適正な賃金水準の確保のための施策をとっていただきたい。その場合、該当する職種・業務・職務にふさわしい賃金を保障するものであること、さらに、市場賃金がきわめて低い職種は、必要な生計費を保障するものとすること。

②総合評価制度を改善・活用し、一定額以上の賃金の目安を示し、これを実施している企業への加点による低賃金の改善や、二省単価を遵守する企業への加点などによる賃金改善などをはかられたい。

(2)今回の大綱は建設工事を中心としたものとされていますが、公契約の当事者は建設工事だけでなく多岐にわたります。他の請負、業務委託、委託その他にも適用を拡大することを具体化していただきたい。

(3)府内業者に発注されるしくみをつくっていただきたい。元請から3次までのそれぞれの業者のもとで請負などで働く労働者についても大綱の趣旨が生かされるようにしていただきたい。

(4)地元業者に仕事が回るようにするとの大綱の趣旨にたって、分割発注の手法も積極的に取り入れていただきたい。

(5)京都府公契約大綱の実効性確保のための調査・指導体制を強化していただきたい。