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府職労ニュース



2012年10月19日

メンタルヘルス対策など健康障害防止の充実を
職対連など京都府知事に要望

被災者救済のため基金支部の迅速対応も 

 京都府職労や京都自治労連、京都職対連など5団体が10月15日、共同で「地方公務員災害補償基金京都府支部の機構及び業務・運営の改善に関する要望書」を山田知事あてに提出しました。

 毎年3万人を超える自殺者が続いている状況の中、公務職場でも意図的な「公務員バッシング」や「公務員制度改革」の名による大幅な人員削減、賃金・労働条件切り下げ、成績主義導入などで精神障害が深刻なものになっていることを踏まえ、地方公務員災害補償基金及び同京都府支部がメンタルヘル対策の充実、被災者の早急な救済をするよう求めたものです。

          
 地方公務員災害補償基金京都府支部の機構及び業務・運営の改善に関する要望書

 日頃の公務労働者の公務災害補償に対するご努力に敬意を表します。
 日本では、毎年3万人以上の国民が自殺するという異常な状況が継続しています。公務員職場でも、意図的な「公務員バッシング」や「公務員制度改革」の名による大幅な公務員の人員削減と、賃金・労働条件の切り下げ、さらには成績主義賃金の導入等によって、公務員労働者の過重労働と健康障害は深刻なものとなっています。

 特に最近は、過重労働、職場の人間関係、利用者や子ども・保護者との人間関係などが原因で精神疾患を発症する公務労働者も急増しています。

 こうした事態に対し、早急に人員増など長時間の過重労働解消をはじめとしたメンタルヘルス対策など健康障害防止に取り組まなければなりません。

 また、不幸にも健康障害に陥った公務労働者に対しては、迅速に災害補償されることが公務労働者と家族の苦悩を救済することになります。

 しかし、近年、基金が「公務外」とした公務災害事案の裁決が、裁判または地方公務員災害補償基金審査会で覆り、「公務上」となる事案が相次いでいます。地方公務員災害補償基金及び同京都府支部が、このような事態を真摯に受け止め、被災者の早急な救済という本来の機能を十分に発揮するよう強く要望し、下記の要求に誠実に回答されること求めるものです。
                                       記

1.組織のあり方、手続き運用等に関する要請項目
①行政手続法第6条の定める標準処理期間を遵守し、認定までの期間を短縮されたい。
②所属長から書類を入手し、所属長を通じて資料提出を行う現行の手続きを、「基金」が直接受け付ける制度へと変更されたい。
③基金の職員を大幅に増員し、基金による直接の立ち入り調査など調査活動を実施・強化されたい。また、担当者の専門性を高めるために、経験年数を延ばすとともに、研修などを強化されたい。
④本部協議の義務づけは廃止し、基金支部の判断が尊重される制度に改善されたい。
⑤支部専門医については氏名を公表するなど、民主的な制度に改善されたい。
⑥基金支部の機構・組織を、府の人事部局から切り離し、労働基準監督署と同等の専門性を確保する人的・制度的保障を担保すること。少なくとも人事担当部局から独立した組織に改め、担当職員は府職員を除外すること

2.認定基準等に関する要請項目
①脳心臓疾患の公務災害認定にあたっては、心血管疾患及び脳血管疾患等の職務関連疾患の公務上災害の認定について(通知)、及び、最新の司法の判断を尊重し、早期の認定を実現し、広く被災者及び被災者家族を救済すること。
②精神疾患等の公務災害認定にあたっては、精神障害等労災認定に係る専門検討委員会報告の趣旨、厚生労働省の通知(2011年12月26日)及び、最新の司法判断を尊重し、総合的に評価し、早期の認定を実現し、広く被災者及び被災者家族を救済すること。

3.公務労働者のいのちと健康を守る立場から、労働組合・京都労災職業病対策連絡会議からの交渉要求に対して、交渉のルールを確立し、誠実に交渉に応じること。

4.審査会の構成と審査手続きの民主的な改正を行うこと
①審査会委員の任命にあたっては、京都府職員の現職またOB等の任命は避け、客観的に「公正」な委員体制を確立すること。
②審査会審査に際しては、公開口頭審査の時間・回数の制限を加えず、必要性の即した開催方法、対審制度を実施すること。
③審査に当たり、請求人に対する審査資料の全面開示など審査制度を改善すること。

5.現在、申請中のすべての事案について、公務労働者及び家族の立場に立って、早期に救済することを求める。

6.公務災害・健康破壊の予防のために、各事業書への調査、改善への勧告など、積極的な役割を果たされたい。

           京都教職員組合・京都自治体労働組合連合・京都府職員労働組合・京都労災職業病対策連絡会議