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京都総評 |
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平成24年度 地域別最低賃金額改定審議にあたっての意見書 |
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2012年7月19日 |
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京都総評は7月19日、京都地方最低賃金審議会 ・久本 憲夫会長に対し、次の意見書を提出しました。 低賃金をなくすため最低賃金の着実な引き上げ・改善と、地域経済再生へ中小企業支援策の条件づくりを求めます 京都府最低賃金改定にあたって、最低賃金法第25条5項にもとづき意見表明します。 なお、京都の審議会として自立した審議、とりわけ、生計費を重視した審議を行うよう求めるとともに、意見陳述の場を設けることを求めます。 記 一、京都府最低賃金を、少なくとも生活保護を上回る水準に改善すること。私たちの試算(別紙参照)では、就労することを前提した就労以前の生活保護を算定すると少なくとも(労働時間を厚生労働省の示した時間で割った場合)時間あたり978円です。そのため、早期に時間額1000円をめざして大幅に引き上げること。 一、審議会については、専門部会も含めて公開とすること。 一、最低賃金の大幅引き上げと同時に、中小企業関連予算の増額、中小企業支援策の強化、公正取引確立のための実効性ある措置を政府に強く求めること。 【趣旨】 1、最低賃金の大幅な引き上げとそれにともなう施策の充実は、日本社会にとって喫緊の課題です。 (1) 貧困をなくしていくために、その中心となるべき対策は、低賃金を改善することです。非正規雇用率が35・7%(2011年、総務省・労働力調査)を占め、年収200万円以下の労働者が1045万人(2010年、国税庁調査)となるなど、貧困と格差が拡大しており、この対策に最低賃金の改善が必要不可欠です。 (2) 地域の消費購買力を引き上げ、地域経済の再生をしていくためには、最低賃金の引き上げが必要です。地域の中小企業は、規制緩和政策と地方財政削減政策、円高やデフレで苦境にたたされてきました。そして地域での需要の低下が地域経済に大きな影響を与えてきました。この10年間を見ても、民間労働者の賃金総額は約30兆円減少し(国税庁、民間給与実態調査)ました。この打開のために、消費購買力の引き上げが重要となっています。東日本大震災の被災地では、この間の復旧事業の末端で働く労働者には最賃レベルの賃金しか支払われず、これでは、復旧も生活の再建できないとの声が高まりました。 (3) 最低賃金引き上げにともなう政府の中小企業支援策の抜本的な改善と拡充が必要です。現在の制度は、相談活動以外の核心的部分が京都は対象外であるとともに、その内容も制度の仕組みと規模が中途半端で、真に受けなければならない中小企業を支援することになっていません。最低賃金を大幅に引きあげ、かつ中小企業支援策の抜本的な改善・拡充が必要です。 2、私たちは、生活保護と最低賃金の比較について、厚生労働省の試算が実際の生活保護の運用とは異なることを指摘してきました。そのため、実際に働いている人が生活保護を受給できることを示してきました。以前、最賃額より高い時間給を受けているにもかかわらず、生活保護を受給している事例を示し、最低賃金と生活保護の乖離は実際には大きいと指摘してきました。これは、試算の仕方が、実際の生活保護行政でおこなっているのと異なるためです。少なくとも単身者に関して、働いて得る収入が、生活保護の最低生活費を下回らないようにすることが、ワーキングプアをなくしていくことにつながるとともに、双方の行政目的に合致することも明らかです。 そのため、試算の方法を以下のようにすることを求めてきました。 (1)生活扶助費については、都道府県内各級地の人口加重平均ではなく、県庁所在地の扶助費を採用すること。 (2)勤労控除について算出すること。就労前で基礎控除の70%は必要経費とされており、就労優秀な場合(特に問題なく仕事をしている)は、基礎控除100%と特別控除(基礎的な生活扶助分の1割)が「控除」されます。 (3)住宅扶助については、特別基準を採用すること。都市部で例外的な物件とならざるを得ない金額を採用するのではなく、通常借りることのできる金額設定とすべきです。 (4)労働時間については、所定内労働時間の実態をふまえたものとすること。また、税・社会保険料の負担費の修正についても日本で一番低いところの数値ではなく、その地域の数値を当てはめるべきです。 以上の試算方法を採用すれば県庁所在地で、働いて得る賃金が生活保護よりも下回るという逆転現象を解消することができます。 3、最低賃金の改正については、これまでも各地方審議会の自主性の発揮が強く期待されてきました。この点で、貴審議会の自主性発揮を強く期待するものです。また、2010年6月の政労使合意である「できる限り早期に全国最低800円を確保し、景気状況に配慮しつつ、全国平均1000円をめざすこと」については、経済の成長という観点から、早期に実現していくべきだと考えます。現在の最低賃金はきわめて低く、まともな水準へと引き上げて行く段階にあるという認識がこうした合意をもたらしていると言えますから、大幅な引き上げを、早期に実現していくべきだと考えます。 |
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2012年6月23日 京都府職労働連合執行委員会 |
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