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府職労ニュース


2009年 8月21日

賃下げの「悪魔のサイクル」総選挙でストップ!
 過去最大規模のマイナス勧告ノー!

賃上げでくらしの底上げ、景気回復を

 GDPが5四半期ぶりのプラス成長となりましたが、マスコミの論調も湿りがちです。それというのも、一部の輸出大企業の「好景気」の一方で、勤労者所得が戦後最悪の下落率となるなど、国民にとっては「回復感なきプラス成長」(毎日)だからです。内需拡大こそが求められている下で出された過去最大規模のマイナス人勧。これにストップをかけるためにも総選挙結果が大きな意味をもってきます。

●勤労者所得が戦後最悪の下落率

 「実感伴わぬ『回復』」(毎日)、「景気回復力強さ欠く」「雇用、所得に不安」(読売)、「対策息切れ懸念」(朝日)、「雇用悪化で失速も」(日経)
 8月17日に内閣府が発表した4月〜6月期の国内総生産(GDP)が年率換算で3・7%増と、前期比0・9%増で5四半期ぶりのプラス成長となりました。政府は「景気は持ち直しに動く」(林芳正経済財政担当相)と鼻息は荒いものの、なぜかマスコミ報道は懐疑的な論調が支配的です。

 それもそのはず、勤労者の所得を表す雇用者報酬が、前年同期比では名目で4・7%減と戦後最悪の下落率だったからです。個人消費は、エコカー減税・補助金、省エネ家電ポイントなどの「一時的なカンフル剤」をうっているにもかかわらず、前年同期比で0・9%減となっています。

 実質GDPへの影響の大きさを表す寄与度では、外需が1・6%増に対し、内需が0・7%減。失業率や有効求人倍率も過去最悪水準という下で、実質GDPを押し上げた要因が、労働者を犠牲にした輸出大企業などの「持ち直し」と、中国政府による大型の内需拡大策の反映という「外需依存」(日経)というのでは、マスコミの論調も湿りがちになるのも当然です。

●回復感なきプラス成長

 「回復感なきプラス成長」(毎日)の下で、エコカー減税・補助金などの「景気対策」で上げ潮を迎えているはずの自動車業界でさえ、「需要回復が見えない限り、設備投資に金はかけられない(ダイハツの箕浦輝幸社長)」(毎日)と慎重姿勢を崩しておらず、設備投資は前期比4・3%減と5期連続の下落が続いています。

 この間の政府の世論調査でも「暮らしが苦しくなった」と答えた人が、約6割に上っており、一部の輸出大企業の景気が良くなったとしても、勤労者の所得が逆に減らされているなかでは、需要回復、ひいては実感を伴う景気回復などは夢のまた夢です。

 日本は、「リーマン・ショック」後のGDPの落ち込み率が先進国の中で最悪でした。外需依存体質の脆弱さを改めて浮き彫りにしたにもかかわらず、未だにその体質を改善することができていません。このままでは、「再びマイナス成長に転じる恐れは否定できない状況」(読売)です。

 今こそ、「非正規切り」などの雇用破壊をやめさせること、社会保障制度を拡充すること、勤労者所得を引き上げることなどの暮らしの底上げで、内需に軸足を置いた方向へと舵を切ることが求められています。

●総選挙で展望切り開こう

 ところが、8月11日に出された人事院勧告は月例給・一時金を合わせて、平均年間給与15・4万円減という過去最大規模のマイナス勧告でした。公務員の生活を切り下げるだけではなく、医療・福祉職場をはじめとする民間労働者への悪影響は、決定的なものとなります。

 「官民の給与水準が落ち込めば、消費市場をさらに冷やす負のリスクもある」「底入れしつつある個人消費に水を差しかねない」(日経)など、マスコミの報道もこれまでにない論調です。
 賃下げの「悪魔のサイクル」にストップをかける意味でも、現在、たたかわれている総選挙の結果が大きな意味をもってきます。


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