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府職労ニュース


2009年 5月18日

京都府人事委が夏季一時金0.2月凍結勧告
 労働者に犠牲を強いる政治的勧告

府職労見解

 京都府人事委員会は、本日(5月15日)、府職員の夏季一時金について、0・2月分(期末手当0・15月、勤勉手当0・05月・職員一人当たりの影響額平均87、541円)を凍結する「勧告」を知事と府議会議長に対して行いました。
 府職労は、人事院勧告(5月1日)に追随し、公正・中立機関としての役割を放棄する府人事委員会に対し、強く抗議するものです。同時に、格差と貧困の解消、働くルールの確立、大企業の社会的責任の追及など、09春闘勝利にむけた官民共同のたたかいと結び、府当局による夏季一時金「凍結」攻撃を許さないたたかいに全力をあげて奮闘します。

 今回の府人事委員会勧告は、第一に、人事院がさる5月1日、今春闘での民間における一時金削減を理由に国家公務員の夏季一時金を0・2月分(平均7・7万円)凍結するという、ルール無視の不当勧告をおこない、政府・総務省による度重なる地方人事委員会への介入と圧力に屈し、京都府人事委員会としての主体性や独自性を放棄したものです。


●中小企業の賃金や最賃にも大きな影響
 
第二に、人事院や人事委員会が依拠した民間の状況は、多くの大企業がカジノ経済に手を染め、極端な輸出依存により生じさせた経済危機のツケを、内部留保を取り崩さず、株主配当も見直さずに、雇用破壊と賃下げなど、労働者にのみ犠牲を押しつけることで事態を乗り切ろうとしたものです。いま、この労働者への攻撃に対し、多くの仲間が連帯し闘っている最中です。公務員の夏季一時金「凍結」は、こうした大企業の横暴を免罪するばかりか、春闘の最中である中小企業の賃金や今後予定されている最低賃金の「改定」にも重大な影響を与えるなど、深刻化する日本経済を危うくするものです。我々の試算では、関連労働者だけで京都で約100億円近い雇用者所得が奪われることになり、人事委員会の責任は重大です。

●わずか35社、精確性に欠ける断片的勧告
 
第三に、そもそも公務員の一時金は、前年冬と当年夏の民間状況を調査し、8月の人事院勧告(府は10月の府人事委員会勧告)に反映するというのがルールであり、京都では企業割合でわずか15%の35社の断片的な回答を根拠に一時金を凍結することには、一片の道理もなく、人事委員会の信頼性をも損なうものです。

●総選挙に向けた政治的思惑に与する勧告
 
第四に、人事院、政府・総務省が、敢えてこの時期に公務員の一時金を凍結するねらいは、自民・公明の政府与党で構成する「国家公務員の給与の検討に関するプロジェクトチーム」が一時金削減に言及し、続いて「民間の状況を国家公務の給与に速やかに反映させることが必要」(鳩山総務大臣)と発言してきたように、総選挙に向けた政治的な思惑があることが明らかです。人事委員会の勧告はこの政治的な動きに与するものです。

●職員の生活設計を破壊し労苦に水をかけるもの
 
第五に、この間の「給与構造改革」路線による大幅な総人件費抑制はすでに職員の限度を超えた生活犠牲をまねき、京都府での人員削減はこの6年間で2438人に及ぶなど府民サービスを維持することさえ困難にしています。
 今回の一時金削減は、厳しい職員の生活設計を脅かし、厳しい職場実態のもとでも経済雇用対策や新型インフルエンザ対策など府民生活を守るために、最前線で日夜奮闘する職員の労苦に水をかけるものです。
 以上のことから、今勧告は、「行政の中立的な運営の確保と人事行政の民主的、かつ能率的な運営を図り、職員の利益の保護を図る」(人事委員会発足30周年記念誌:昭和57年刊行)ために1951年に設置された人事委員会の58年の歴史の上でも、重大な禍根となるものといわざるを得ない。


●労働者・府民と連帯し府民の雇用と暮らしを守り夏季一時金削減を許さないたたかいに全力をあげよう
 
いま、経済危機のもとで京都では、3月の有効求人倍率が0・58倍、6月までの解雇・雇い止め2618人、3月の企業倒産も50
件を超えるなど府内の地域経済は重大な局面を迎えています。府職労は昨年来、経済危機から府民の暮らしを守る要請を三度にわたり行ってきました。

 人事委員会への要求署名は、勧告ギリギリまで短期間の間に1742筆の署名が寄せられ、かつてないとりくみになりました。
 この署名には、生活が脅かされるという切実な要求とともに、ルールを無視し政治的な道具として公務員の一時金が扱われ、地域経済にも深刻な打撃が与えることへの怒りが込められたものです。
 府職労は、このとりくみを確信に、ひきつづき、広範な府民、労働者と連帯し、府民の雇用とくらし、経営を守るたたかいに全力をあげるとともに、すべての労働者の賃下げと地域経済に重大な影響を及ぼす今回の夏季一時金凍結の重大問題を明らかにし、夏季一時金凍結を許さない労働者・府民と連帯したとりくをすすめるものです。



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