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官庁速報


2009年 2月26日

28府県がプラスに
経済・雇用対策を積極計上−09年度当初予算・時事通信調べ

 47都道府県の2009年度当初予算案が出そろった。時事通信社の集計によると、知事選に伴い骨格予算を編成した山形、千葉を除く45都道府県の一般会計総額は、08年度当初比(骨格・暫定予算だった団体は肉付け補正後比)0.2%増の46兆2775億3700万円。景気が後退する中で、経済・雇用対策を積極計上したことに伴い、28府県でプラス予算となった。マイナス予算の都道県でも、08年度補正予算と合わせた14カ月予算で前年度並みの規模を確保したり、公債費を除く一般歳出や投資的経費を増額したり、景気に配慮した編成に腐心している。

 ただ、どの団体も税収の落ち込みで膨らんだ財源不足を臨時財政対策債の増発をはじめ、基金取り崩しや事業の廃止・縮小などで埋めており、台所事情は厳しい。知事からは「職員給与を大幅カットしなければ予算を組めない状況で、これ以上カットできる事業もない。地方消費税の拡充が重要」(宮城)、「法人2税は景気変動でものすごいブレがあるのに、出ていく額は一定。住民サービスを維持しなければならない自治体は、消費税のような安定税源をもらわないと運営できない」(大阪)など、地方消費税の充実を訴える声が高まっている。

◇福井は11年ぶり増

 プラス予算は、岩手、宮城、秋田、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、福井、山梨、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、山口、高知、福岡、佐賀、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の28府県。この中には、中間納付で納めすぎた税を法人に戻す「県税過誤納還付金」が景気悪化で大幅に増える特殊要因を除くと3.3%減となる愛知など、実質ベースではマイナス予算となる団体も一部含まれる。

 プラス予算を組んだ府県で、特に伸び率が高いのは、佐賀(8.2%増)、兵庫(7.1%増)、宮城(6.7%増)、秋田、島根(ともに5.2%増)など。

 佐賀県は中小企業向け制度融資の拡充を中心に246億7400万円の緊急総合対策を盛り込み、9年ぶりのプラス予算を編成した。兵庫県も中小企業向け融資を過去最大規模にするなど経済対策に重点を置いた予算を組み、2年ぶりの増額。宮城県は経済対策を拡充した結果、3年ぶりに8000億円台を回復した。

 秋田県は4月に知事選を控えているが、経済・雇用対策を積極的に盛り込んだ本格予算を編成し、8年ぶりにプラスとなった。島根県は経済対策のほか、医療、教育などに重点配分し、やはり8年ぶりに前年度の規模を上回った。

 このほか、福井の11年ぶりをはじめ、静岡、高知が10年ぶり、福島、山口が9年ぶり、岩手、宮崎などが8年ぶりのプラス予算となっている。

 一方、予算規模が前年度を下回ったのは、北海道、青森、埼玉、東京、神奈川、石川、長野、岐阜、三重、滋賀、岡山、広島、徳島、香川、愛媛、長崎、熊本の17都道県。

 神奈川(7.0%減)は臨財債を一般会計でなく、公債管理特別会計に計上しており、これを含めた実質では1.1%減となる。法人関係税をはじめとする税収の大幅減が響き、通年予算では7年ぶりの前年度割れとなった。東京(3.8%減)も税収の落ち込みで5年ぶりに予算規模が縮小。三重(5.4%減)は借換債を除くベースでは1.1%減だが、税収が10年ぶりに2ケタ減となった影響でマイナス編成となった。

◇地方税、2県除き2ケタ減

 歳入のうち地方税は、通常予算を組んだ45都道府県の合計で16.8%減の16兆2077億6900万円。景気後退に加え、都市部に集中する法人事業税の一部を地方法人特別税(国税)に移した上で譲与税として配分する税収格差是正措置の本格実施の影響で、法人関係税が39.4%減となることが主因だ。地方税は宮崎(9.1%減)、沖縄(8.7%減)の2県を除き、いずれも2ケタのマイナスとなった。

 地方税の減少率が最も大きいのは愛知で、過去最大の落ち込みとなる28.8%減。法人関係税の64.6%減が響いた。財源不足を埋めるため、財政調整、減債両基金計700億円を全額取り崩したほか、県税過誤納還付金の前年度からの増加分(987億円)に相当する財源を賄うため、減収補てん債1000億円を計上した。

 東京の税収は13.6%減で、6年ぶりの前年度割れ。税収格差是正措置に伴う法人事業税の実質減収額は1686億円に上るが、同措置の実施に備えて積み立てていた法人事業税国税化対策特別基金の取り崩しで対応した。

 地方交付税は、骨格予算の2県と不交付団体の東京を除く44道府県の合計で0.7%増の7兆7454億9600万円。地方債は臨財債の増発に伴い、骨格予算の2県を除く45都道府県の合計で23.8%増の6兆9291億2100万円となる。

◇義務、投資とも30団体以上が減

 歳出(いずれも骨格予算の2県と集計中の1県を除く44都道府県合計)のうち、義務的経費は2.1%減の21兆8343億5700万円。33都道府県でマイナスだった。扶助費が2.3%増となる一方、人件費が定数削減に加えて職員給与の削減を継続するなどの団体が多く2.0%減となるほか、公債費は3.5%減となった。

 投資的経費は公共事業の抑制が続き、2.7%減の6兆7972億7400万円。31県でマイナスとなった。このうち、岡山(17.8%減)や滋賀(15.9%減)など5県が2ケタのマイナス。他方、経済・雇用対策の積極実施などに伴い京都(11.2%増)や佐賀(6.1%増)など13都道府県でプラスとなった。

 投資的経費のほとんどを占める普通建設事業費は2.6%減で、このうち補助事業が3.5%減、単独事業が1.3%減。 


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