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官庁速報


2009年 6月11日

概算要求基準との整合性も課題
直轄負担金の退職手当見直し−国土交通省

 金子一義国土交通相は、河川、道路整備など国直轄事業で地方に支払いを求めている負担金のうち、退職手当と年金保険料の共済組合費を除外する意向だ。今後省内で検討を進めるに当たり、退職手当と共済組合費を国庫負担にした場合には、公共事業費を前年度比3%削減する概算要求基準(シーリング)との整合性をどう図るかが課題の一つとなりそうだ。

 政府は、経済財政改革の基本方針「骨太の方針2006」で、2007〜11年度の5年間に公共事業費を前年度比1〜3%削減するなど歳出削減の大枠を設定。毎年の概算要求基準は同方針を受けて、公共事業費にマイナス3%のシーリングを課している。

 このため、10年度予算から退職手当、共済組合費を地方負担金から外して国の公共事業費に単純に組み入れると、両費用相当額がシーリング枠からはみ出してしまう問題が生じる。同枠を超過した財源は、財務省の裁量で国債償還費などに充てることができるため、国交省はいずれかの事業量を削減して退職手当を含めた公共事業費をシーリングの枠内に収める必要性に迫られる。

 同様の事態は、全国知事会が要求している地方負担金の維持管理費の廃止でも起こり得る。

 直轄事業の事業量に影響を与えない方法としては、例えば、退職手当など相当額分の国庫補助事業の補助金を減額してプラスマイナスをゼロにする手法が考えられるが、一方的な補助金削減には地方の反発は必至。同相当額をシーリングとは別枠扱いにする対応策もあるが、例外的な取り扱いには財務省が難色を示す可能性が大きい。

 マイナスシーリング自体の棚上げも検討対象になるが、この場合は骨太方針06を大幅に見直さなければならず、経済財政諮問会議が6月下旬に策定する骨太方針09の行方とも絡み、政府全体での議論が求められる。

 国交省は、地方負担金の廃止が公共事業の縮小を招くことは受け入れられないとの立場。一方、地方側は同負担金廃止が財源措置されている地方交付税の削減につながることは避けたい意向だ。こうした状況に概算要求基準の問題が重なることで、同負担金廃止をめぐる今後の関係省庁間の調整および全国知事会との協議は難航が予想される。


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