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官庁速報


2009年 7月22日

 私大奨学金の支援拡充へ
シーリングとの整合性課題に−文部科学省

 文部科学省は2010年度、経済的な事情で修学が難しい学生に対し、私立大学が実施している奨学金事業への財政支援を拡充する方針だ。景気悪化で奨学金希望者の増加が見込まれるため、奨学金事業に取り組む私大を財政面から下支えする。支援内容の枠組みを詰め、同年度予算概算要求に盛り込む意向だが、私学助成については概算要求基準(シーリング)で前年度比1%減の方針が示されており、要求内容の検討では同基準との整合性が課題となっている。

 私大への国の補助金は、教員数や学生数などを基本に算定する「一般補助」と、教育の高度化や地域活性化支援といった個々の取り組みを助成する「特別補助」の二つで構成している。特別補助対象の一つとして、学生の経済的負担を軽減する支援がある。

 この支援制度では、私大が経済的に修学困難な学生に対し、▽授業料などの減免▽給付制の奨学金▽学生が金融機関から借り入れた教育ローンなどの利子負担軽減―の各事業を独自に実施する場合、経費の一部(2分の1以内)を補助する。同省は、「骨太の方針2006」を踏まえた私学助成1%減のシーリングが近年続いてきている中、支援制度の予算を年々増やしており、09年度は前年度比5億円増の25億円を措置している。

 10年度についても昨今の景気悪化を背景に、学生への経済的支援のニーズは高いと予想され、同省は私大の取り組みに対する財政支援を拡充する方針。ただ、私学助成1%減の中で、現行の支援制度の予算額を増やすと、その他の分野の助成に影響が出るのは避けられない。

 このため、同省は安心社会実現など「骨太09」で示した重要施策に配分する3500億円の特別枠を念頭に、新たな支援の枠組みができないかを検討し、概算要求に反映させたい意向だ。


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