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官庁速報


2009年 5月12日

首長トップの「経営戦略会議」を
自治体版内部統制で最終報告−総務省研究会

 地方自治体のリスク管理や適正な業務執行の姿などを検討している総務省の「地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会」(座長・碓井光明明治大大学院教授)は、自治体版の内部統制に関する最終報告をまとめた。不祥事などが起こる前にリスクを組織的に洗い出すことが必要とした上で、内部統制にはトップのリーダーシップが不可欠と強調。首長や各部局長らで構成する「経営戦略会議」(仮称)の設置が有効と提言した。

 内部統制は、会社法や金融商品取引法で大企業に義務付けられているが、職員の汚職や文書の誤発送など住民の信頼を損なうリスクを抱える自治体にも取り入れる必要があるとして、総務省は2007年に研究会を設置していた。

 最終報告は、自治体が内部統制を整備することによる効果について、▽不適正な事務処理の改善や法令順守の徹底▽行政組織にかかわる者の意識改革▽首長の戦略的業務への専念−といった5点を列挙。「内部統制は住民の信頼を得ることに大きく寄与する」とした。

 また、内部統制の実施に当たり、組織全体でリスクとなる対象を事前に洗い出し、内容を分析して、統制内容を判断するよう求めた。「不十分な引き継ぎによる業務停滞」「意図的な財務データ改ざん」など、自治体を取り巻くリスクの一覧イメージ(101項目)も示した。

 組織の在り方では、内部統制の基本方針を作ってリスク評価などを行うため、首長の下に経営戦略会議(仮称)を置くのが有効と提言。各部局で基本方針が具体化されているか会計管理者や行政改革担当課、監察室などがモニタリングを行い、首長に報告する仕組みも打ち出した。

 ただ、最終報告は自治体に対し、「全く新しい取り組みをするものではない」とも指摘。各団体の既存の仕組みや組織を活用するなど、できるところから始めることが重要とした上で、「過剰な統制はかえって問題」とクギを刺した。

 報告を受け同省は、研修などを通じて内部統制の考え方の普及啓発を目指す。


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