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官庁速報


2009年 3月 3日

生物多様性確保へ改正案
海域での保護強化も−環境省

 環境省は、生物多様性の確保に向け、自然公園法と自然環境法の改正案をまとめた。国立公園をはじめとする自然公園制度の目的として、優れた自然の風景地保護に加えて、生物多様性の確保を追加。陸域と比較して手薄だった海域での保護強化を盛り込むほか、生態系を脅かすシカの食害対策や外来植物対策を機動的に行えるようにし、より積極的に施策を行う姿勢を打ち出す。改正案は3日に閣議決定し、国会提出する予定。

 2007年に閣議決定した第3次生物多様性国家戦略は、自然公園の役割を「生物多様性保全の屋台骨」と位置付けた。しかし、法的には明示されておらず、今回の改正で明確化する。

 現行の海域保護制度としては、海域のうち水中とそこに生息する熱帯魚や海藻、サンゴなどの動植物を保護する「海中公園地区制度」があるが、多くの生物の餌場となる干潟は保護の対象外。そこで同制度に代わり、水中だけでなく、干潮時に海上に現れる干潟、岩礁までの海域全体を保護の対象とする「海域公園地区制度」を創設。そこを生息地とする海鳥やアザラシ、カニなども保護する。同地区内では、動力船の使用や埋め立てを制限するほか、保護対象に指定した動植物の捕獲や採取を規制する。

 さらに、自然公園法上の特別地域で、利用者の立ち入り人数を制限する利用調整地区制度の対象に、海域公園地区を加える。特定の海域における利用者の集中を回避することで、生態系への負荷を軽減。海域での生態系の保全を推進する。

 また、特別地域内の一部で、本来生息しない植物を植えたり、種をまいたりすることや、動物を放すことへの規制を導入。国や自治体、民間非営利団体(NPO)が増え過ぎたシカの駆除などの生態系維持・回復活動に取り組む場合には、環境相の認定を得れば、同法の動物捕獲規制の対象外とし、生物多様性の保全を促進する。


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