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官庁速報


2009年 4月 9日

中央と地方の税収割合を半々に
自治総合センター研究会が報告書

 財団法人自治総合センターの「国民のくらしを守る地方税体系の再構築に関する研究会」(座長・神野直彦東大大学院教授)は、納税者に理解を得られる地方税の在り方に関する報告書をまとめた。地方の行政サービスを維持していくため、地方消費税の引き上げを提言。中央と地方の税収割合についても、地方の自主財源を充実させるため、現在の6対4から、当面は5対5にすることなどを求めた。

 報告書では、政府・与党で税制抜本改革が議論されている中、最も重要なことは「住民が納得して払えるような税制かどうか」だと指摘。地方が提供する公共サービスへの財政需要が増している現在、「従来の地方税のみでは急速に拡大する責任を果たすことができない」として、地方税体系の再構築を求めた。改革の基本的視点として、(1)税収の偏在性が少ないこと(2)地方交付税の財政力均等化機能を有効に機能させること―を挙げた。

 その上で報告書は、中央、地方間の税収割合の変更を要請。現行では、歳出の割合が国4、地方6となっていることから、税収割合は当面は5対5とするよう求めた。

 具体的な再構築については、「地方消費税は他の税と比べて人口1人当たりの税収の地域間格差が少なく、安定的な財源確保ができる」として、引き上げを提言。具体的な税率には触れていないが、低所得者に配慮するため、食料品への税率を軽減するといった複数税率の導入も考えられるとした。

 その上で報告書は、「国民は増税にとりあえず拒否反応を示すことを前提としなければならない」とし、増税の負担が国民間でどのように割り振られ、見返りはどのような形で還元させるのかを説明することが必要だとした。

 研究会は昨年7月に発足。今年度は、都道府県と市町村間の役割分担・税源配分の在り方や、地方の課税自主権の充実、急激な景気後退に対応した地方財政の姿などについて議論し、今秋をめどに2回目の報告書をまとめる方針だ。


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