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労働者の賃下げに拍車 悪魔のサイクル |
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京都府人事委員会が行った勧告の内容に対し、職場からは怒りの声が高まっています。基本給、持家に係る住居手当、期末・勤勉手当の引き下げで平均年収で172、000円のマイナスに加えて、地域手当も加えての4つのマイナスだからです。つぶやき≠煌ワめて職場からの声を集めました。 ●「家族に何と言ったら…」 「年間給与で平均172、000円もの大幅な引き下げ。人事委員会、何すんねん」と憤りを隠さないのは、中学生と小学生2人の子をもつ健康福祉部のAさんです。「住宅ローンを抱え、どんどん教育費がかかってくるこのタイミングで、こんな勧告をされたのでは生活設計が狂ってしまう。奥さんに何と言ったらいいのか…」と最後の方は、ことばにも力がありません。 Aさんと同じような家族構成の同僚Bさんも「連れ合いが近所のスーパーへパートに出たばかり。子どもたちにも何かと我慢してもらいながら、やりくりしてきたのに、こんな勧告では展望がもてない」と、こちらもひどい落胆ぶりです。 個々の職員と家族のくらしにとって、平均17万円超ものマイナスは、大きなダメージを与えることになることは必至です。 ●「不利益は遡ったらアカンやろ」 一方、職場からは「民間企業に働く親戚や友人に聞いても、給料が下がった≠ニいう者ばかりではないのに、府はマイナス勧告。何か実感と違う」との声も聞かれます。 確かに、府人勧では、4年ぶりのマイナス較差としていますが、勧告資料によれば、賃金カットを実施した事業所はわずかに1・9%で、「給料」を据え置いている事業所が多数となっています。なぜ、そうした中で「マイナス勧告」となってしまうのか。「はじめにマイナスありきの勧告ではないのか」との疑問の声さえ、聞かれます。 加えて、挙がっているのが「不利益は遡及したらアカンやろ」の声。今年4月から改定の実施日の前日までの期間について、減額調整措置の対象とした今回の勧告に対する強い批判です。 ●「えっ、3、900円と違うの?」住宅手当 「えっ、3、900円とか3、800円と違うの? 3、600円は後半≠ナはなく、中頃≠セろ」と驚きの声が挙がったのが、持家手当「3、600円」との勧告です。というのも府職労との交渉の場で事務局側から「3千円台後半」を示唆≠キるような発言があったからです。ともあれ、月額4、100円の手当が500円引き下げとなりました。 これには、「埼玉や岩手などのように、まったく環境が違う国横並びで廃止を勧告した県に比べれば、まだマシ」「職場からのとりくみの反映だ」との声も挙がっています。 しかし一方では、勧告の中で公民較差や他府県状況を見ながら、来年以降の勧告での廃止も含めての検討≠ノついて言及していることに対して、「6割が持家の府職員と、官舎中心の国家公務員とを一緒にするな。引き下げることだけ過敏に反応するな」の憤りの声も挙がっています。 ●「一番腹が立つのが、これ」 一時金の0.35ヶ月削減 「なんといっても腹が立つのが一時金。こんなやり方を人事委員会がしたら、いくらでも減らせる」との声が聞かれます。5月の夏季一時金凍結勧告が民間の夏季一時金に悪影響を及ぼし、民間給与実態調査に反映されるというスパイラルを作り出したことに対する怒りです。 労働基本権制約の「代償機関」としての役割を放棄するだけではなく、公務員ばかりか、府内の全ての労働者の賃金引き下げの先導役としての役割を果たしたという点で「許されない」との批判です。 過去最大0・35月分の引き下げによって、とうとう「4・15月」という1960年代前半の支給水準にまで後退します。 ●「なんで京都市職員より低いの?」地域手当の引き下げ 「府内に国のような0%地域≠作らせなかったのは良かったのでは」と、地域手当についての勧告を職場からのとりくみの成果だと一定評価する声がある一方では、「三方一両損か何か知らないが、どうして全地域がマイナスなのか。平均0・8%の引き下げは、平均支給率において国との均衡をはかるだけの意味合いで、国横並びと変わらない」との指摘もあります。 「なんで京都市職員が10%なのに、京都市内に働く府職員が9%になるのか。人材確保の観点からも大きなマイナスだ」との声も聞こえます。 ●職員の生活守るのは当局の責任 職場からみんなの力をあつめて 職場からは、この他にも「『月60時間を超える超過勤務に係る手当の支給割合の引き上げ』を、不払い残業根絶と超勤縮減をすすめるテコとすべきだ」、「健康管理や男女共同参画、非常勤職員の勤務条件改善について、勧告での言及をふまえた具体的な改善を」などの声が上がっています。 府職労は20日に当局へ「賃金確定にあたっての要求書」を申し入れ、月末からは交渉を開始します。府人勧4つのマイナスに対し、当局をして、職員と家族のくらしを守る責任を果たさせるために、職場からのとりくみを強めましょう。 |
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