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官庁速報


2008年 1月17日

地方財政などへの影響懸念
道路財源の特別措置撤廃−総務省、自治体が審議注視

 主に2007年度末に期限が切れる道路特定財源関連の特別措置の存廃問題をめぐり、総務省や地方自治体から地方財政への影響を懸念する声が強まっている。暫定税率などが撤廃されると、国・地方合わせて約2兆6000億円、地方分だけで少なくとも9000億円を超す減収になる。期限切れを迎える措置には50万円以下を非課税にしている自動車取得税の免税点の特例(本則15万円以下)など、廃止すれば国民の負担が増えるものも含まれ、同省や自治体は18日に始まる通常国会の審議の行方を注視している。

 08年度道路特定財源約5兆4000億円のうち、地方に入る財源は地財計画ベースで2兆677億円。この中には暫定税率が1リットル32.1円の軽油引取税(本則1リットル15.0円)や自家用車の暫定税率が5%の自動車取得税(本則3%)が含まれ、地方道路譲与税などを合わせた上乗せ分は計9064億円に上る。

 ほかに揮発油税(国税)の4分の1を配分する地方道路整備臨時交付金(6825億円)の根拠規定も3月末で期限が切れる。この延長を盛り込む道路整備財源特例法改正案も否決された場合、地方の減収は1兆6000億円を超す。補助金などを含めると、地方財政への影響はさらに深刻になる。

 一方、地方における道路事業費(06年度決算で約10兆6000億円)のうち、道路特定財源(同2兆2000億円)から賄っているのは2割程度。しかも歳出の3割に当たる約3兆4000億円は過去の道路整備の起債償還に充てている。このため、道路特定財源が減れば地方税からの持ち出しがさらに増え、地方財政を圧迫することになる。

 逆に廃止すると増税になるのは、いずれも3月末に期限が切れる自動車取得税の免税点や低燃費車に関する特例。免税点の特例が廃止されて非課税だった15万円超の自動車にも課税されるようになると、販売台数が減っている中古車がますます売れなくなることが懸念される。環境への配慮から燃費性能が優れた自動車を減税する低燃費車特例では、性能に応じて課税標準(自動車の取得価額)から30万円か15万円を控除しており、特例廃止は国民の負担増につながる。 

 自家用車の自動車取得税に関する5%の暫定税率(本則3%)の廃止は減税になるが、税率が下がることを見越し、消費者が年度末の自動車購入を控えることも予想される。例年3月は転勤などを控えて販売台数が最も多い月のため、業界に影響を与えるほか、07年度の地方税収の減少につながる。

 また、ガソリンや軽油などが安くなれば消費者には朗報だが、特別措置の期限切れ後に与党が衆院で関連法案を再可決すれば元の価格に戻ることになり、混乱に拍車が掛かる恐れがある。

 都道府県議会のうち、すでに12月定例会で道路特定財源確保や暫定税率維持を求める意見書などを可決したのは32県議会。総務省は租税特別措置法改正案や地方税法改正案などの年度内の成立を求めている。


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