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官庁速報


2008年 2月22日

一般病床からの受け皿機能を重視
転換老健の施設要件固まる−厚生労働省

 厚生労働省は、2008年4月に創設する新たな「療養病床から転換した老人保健施設(転換老健)」の施設要件や人員配置基準を固めた。一般病床からの退院者の受け入れを重視し、過去1年間の新規入所者数を100%とした場合、「医療機関」からの入所者の占める割合が「家庭」からを35ポイント以上上回るようにする。入所者の医療ニーズについても要件を設けて、介護報酬の算定に用いる。

 転換老健は、療養病床再編で介護保険が適用される療養病床が全廃されることに伴う、医療の必要性が比較的低い高齢者の受け皿として創設する。既存老健の基準では対応できない夜間看護やみとりへの対応を強化するのが特徴だ。

 転換老健の新規入所者に関する施設要件は、一般病床からの退院者の「受け皿」としての性格を明確にするのが狙い。08年4月以降の入所者について09年4月から適用する。

 ただ、周辺に医療機関がどの程度あるかなどにも影響を受ける可能性があることから、具体的な適用方法は09年4月までに決める。

 入所者の医療ニーズについては、過去3カ月間に(1)入所者の15%以上が「経管栄養」または「喀痰(かくたん)吸引」を実施(2)入所者の25%以上が「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」で最も深刻なランクM(著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする)―のいずれかを満たすことを要件とする。

 人員配置基準は、看護職員については夜勤時間帯も確保できるように、入所者6人当たり1人を配置する。ただ、入所者40人以下の小規模施設については「6人当たり1人」を満たしても看護職員の人数が少なく、夜勤の人員配置が難しいと考えられることから、常時看護職員とのオンコールによる緊急連絡体制を確保するなどの要件を満たす場合は、介護報酬で別に評価する。

 介護職員は入所者6人当たり1人を配置する。ただ、現在の介護療養病床では約9割の施設が入所者4人当たり1人を確保している。こうした中で、転換老健はすべて「6人当たり1人」とした場合、介護療養病床から転換してすぐにサービス水準が低下する恐れがあることから、当分の間は「4人当たり1人」も介護報酬で別に評価する。

 このほか、争点となっていた転換老健の通称は「介護療養型老人保健施設」に決まった。法律上は「介護老人保健施設」となる。

 介護報酬上の評価は、(1)看護職員による夜間の日常的な医療処置など入所者全員がほぼ等しく受けるサービスは新たな「施設サービス費」(2)みとりの評価といった入所者の状態によってニーズが大きく異なるサービスは個別の「加算」―でそれぞれ対応する。

 3月3日に開かれる社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護給付費分科会で、具体的な単位数を諮問する予定。新たな施設サービス費は、介護療養病床の1日1322単位(要介護度5の場合)よりも低く、既存老健の1日1040単位(同)よりも高めに設定される見通しだ。


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