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官庁速報


2008年 4月11日

温室ガス削減へ「行動計画を」
民間議員提言、首相も賛意−諮問会議

 政府の経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)で、地球温暖化問題に対応する「環境力」が議題となっている。8日の会合で民間議員は、日本が自ら温室効果ガス削減の中長期的な目標を掲げ、そのためにどのような取り組みをどう進めていくのかを示す行動計画を作成するよう提言。福田首相も「低炭素社会を実現するためには、日本の行動計画が必要だと私も思う」と賛同し、首相官邸に設置した地球温暖化懇談会(座長・奥田碩トヨタ自動車相談役)で、具体的に検討する意向を示した。

 温室効果ガスの削減目標をめぐっては、安倍晋三前首相が昨年5月に発表した温暖化問題の基本戦略「美しい星50」で、世界全体の排出量を2050年までに現状から半減させるとの長期目標を提唱。同6月の独ハイリゲンダム・サミット(主要国首脳会議)で、「真剣に検討する」ことで合意された。

 さらに同戦略を継承した福田首相は、今年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、20年までに世界全体のエネルギー効率を30%改善するとの中期目標を提唱している。

 民間議員はこうした中長期目標の達成に向け、政府が日本の「共有すべき目標と、そこに至る道程」を行動計画として示し、「どんなスピードで何をせねばならないかを、社会全体で理解しながら大きな動きにしていく必要がある」と指摘した。その背景には「環境の議論は、改善が困難な現実と遠い将来の理想像とが乖離(かいり)し、実際には何も進まないということになりがちだ」との認識がある。

 そこで、日本の目指すべき方向として、(1)京都議定書に続く13年以降の新たな国際協定(ポスト京都)づくりへの積極的な貢献(2)08〜12年度の平均で1990年度比6%減という議定書の温室効果ガス削減目標の確実な達成―を提示。ポスト京都では、革新的な技術開発と経済的なインセンティブが鍵を握るとした。

 さらに、▽日本が主張する「セクター別アプローチ」に基づく国別総量目標の具体的な枠組み▽この枠組みで設定される削減量と、温暖化防止に必要な世界全体での削減量との整合性―について、早急な研究・検討を求めた。

 セクター別アプローチは鉄鋼やセメント、運輸といった産業・部門別に、エネルギー消費や二酸化炭素(CO2)排出に関する国際的な指標(ベンチマーク)を掲げ、温暖化対策を進めるという考え方。日本はこの手法を用いて削減可能量を算定し、それらを積み上げることで国別総量目標を設ける仕組みを提案している。

 一方で民間議員は、議定書目標を達成するために、▽政府が国内の主立った企業に守るべき排出量の上限を示し、企業間で過不足分をやりとりする国内排出量取引制度▽石油や石炭などの化石燃料の炭素含有量に応じて課税する環境税▽深夜化するライフスタイルや働き方の見直し▽サマータイム―といった施策を、速やかに検討するよう要請した。

 また、各省が新たな規制・施策や予算措置を講じる際には、環境負荷の観点も踏まえた上で導入の提案をすべきだとしている。


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