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官庁速報


2008年11月19日

成田・羽田鉄道、複数ルートを調査
東京駅接続も検討へ−国土交通省

 国土交通省は、成田、羽田両空港を50分台で結ぶ鉄道の整備に向け、東京駅との接続も視野に複数のルートの調査に入った。2010年度開業の成田新高速鉄道の乗り入れによる直通列車を想定し、都心の地下に短絡線を新設する案を軸に、両空港のアクセスにかかる時間や費用対効果などを整理する。有識者や鉄道会社などを交えた作業部会での議論を踏まえ、08年度中に有力候補となるルートをまとめる。

 成田と羽田を結ぶ直通列車は現在、京成、都営浅草、京浜急行各線が乗り入れる形で運行しているが、所要時間は最短でも106分かかる。同省は首都圏空港機能の強化に向け、成田から東京・日暮里まで36分で結ぶ成田新高速鉄道を最大限活用して、(1)両空港間のアクセス50分台(2)都心と両空港へのアクセス30分台−を実現する鉄道を目指す。

 50分台のアクセスを可能にするには、鉄道が都心を高速で通過するための短絡線を都営浅草線の押上〜泉岳寺間に整備する必要があるという。同省は短絡線の在り方について、押上〜宝町付近までを直線で結ぶルートや、東京駅との乗り換え機能向上のため、同駅に近い丸の内の地下を通すルートなど複数の案を調査する。

 各ルートについて、両空港間のアクセス時間や工事費の概算、需要予測、両空港の利用者数への影響などを調査し、ルートによっては新駅設置の必要性についても調べる。調査結果を受け、同省は09年度に、費用負担の在り方や工期を含めた本格的な整備の検討に乗り出す方針。

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 国土交通省鉄道局の2009年度予算概算要求は、事業費ベースで前年度比15.2%増の5091億4000万円、国費ベースで14.0%増の1389億2800万円となった。整備新幹線建設費は、2年後の完成を目指している東北(八戸―新青森)、九州・鹿児島ルート(博多―新八代)両区間の工事が佳境に入ることなどを踏まえ、事業費では過去最高となる3529億8800万円(15.0%増)を要求。国費では812億4000万円(15.1%増)を計上した。

 新規着工財源のめどが立たない中で与党から概算要求への反映を求められていた未着工区間については、「安定的な財源見通しの確保に努め、それができ次第、着工についての追加要求をする」との内容を盛り込み、年末の予算編成時に結論を持ち越した。

 整備新幹線建設費の財源の内訳は、国費約812億円のほか、既設新幹線譲渡収入が約1541億円(うち前倒し活用分が817億円)、地元負担分が約1177億円。04年の政府・与党申し合わせに基づき、東北、九州・鹿児島ルートのほか、北海道(新青森―新函館)、北陸(長野―金沢)、九州・長崎ルート(武雄温泉―諫早)の各区間の整備に充てられる。同省の試算では、これら建設中区間の総事業費は資材価格高騰で約4700億円増加する見通しで、こうした影響も大幅な増額要求につながった。

 その他の公共事業関係では、10年度開業予定の成田新高速鉄道をめぐる整備に国費で1.5倍増の65億2700万円を計上したほか、成田、羽田両空港間を50分台で結ぶアクセス鉄道の実現に向けた検討に必要な費用も盛り込んだ。都市鉄道の利便増進には、国費で3倍増の47億3500万円を要求。相模鉄道とJR、東急の直通線の整備などを進める。

 また、地方鉄道対策としては、地域公共交通活性化・再生法に基づく地域の法定協議会での取り組みに対する支援を強化。幹線鉄道等活性化事業費補助を活用し、ダイヤ改正や増便などサービス改善に向けたハード整備を支援する。技術面でも、コストの抑制につながる技術開発を進め、地方鉄道の経営環境の改善につなげる。


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