総務省は、都道府県と市町村の２００７年度普通会計決算の概要（速報値）をまとめた。厳しい歳出削減などに伴い、都道府県の歳出・歳入規模は９年連続で縮小。経常収支比率は、都道府県全体で前年度より２．１ポイント高い９４．７％、市町村全体で１．７ポイント高い９２．０％に達し、ともに過去最悪を更新。財政運営の硬直化が一段と進んだ。 　都道府県の歳入総額は０．４％減の４８兆２４５９億円。所得税からの税源移譲や定率減税廃止で個人住民税が大幅に伸び、地方税が１３．３％増となった一方、税源移譲に伴う所得譲与税の廃止や地方交付税、国庫支出金の減少により、総額は前年度を１９２３億円下回った。歳出は投資的経費や人件費の削減で０．１％減の４７兆４８８３億円。この結果、歳入歳出差引額から翌年度への繰り越し財源を差し引いた実質収支は３３０６億円の黒字となり、黒字額が前年度から５４４億円減少した。 　ただ、不交付団体の東京、愛知の歳出合計額は３９６３億円、歳入合計額は３３０３億円増加。２都県は経常収支比率も改善された。基金残高は都道府県全体で前年度から２６４３億円増えたが、２都県を除く４５道府県では４２５１億円の減少。また、法人二税の人口１人当たりの税収は最高の東京と最低の沖縄で６．６倍程度の開きがあり、前年度の６．１倍より拡大。都市と地方の財政力格差が改めて浮き彫りになった。 　市町村の歳入総額は０．２％増の４８兆８３５３億円、歳出総額は０．５％増の４７兆６４３２億円。児童手当制度の拡充や障害者自立支援法の本格施行などにより社会保障関係経費が膨らみ、歳出・歳入総額とも６年ぶりに増加した。実質単年度収支が０４年度決算以来３年ぶりに赤字になるなど、財政状況は悪化した。 　自治体決算と併せて同省がまとめた地方公営企業の０７年度決算の概況によると、全体の収支は７年連続で黒字となったが、病院事業などが引き続き赤字だった。
−府職労ニュースインデックスへ−