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官庁速報


2008年 5月19日

道路財源と消費者行政も提言
市町村への権限移譲を明示−近く第1次勧告・分権委

 政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は、第1次勧告に向けた取りまとめの議論に入った。勧告は全5章で構成し、都道府県から市町村への権限移譲を盛り込むほか、政府・与党の動向をにらみ、道路特定財源の見直しに伴う地方財政への配慮や消費者行政の一元化についても提言する。国から地方への権限移譲は、昨年11月の「中間的な取りまとめ」で示した大幅な移譲案を分野別に整理して示す。28日にも福田康夫首相に勧告する予定だ。

 これまでの議論や勧告素案によると、1次勧告では国と地方の役割分担に当たり、二重行政を排除する重要性を改めて指摘する。分担を考える指標として、▽国と自治体双方が行っている「重複型」▽規模などで国と自治体が事業を分けている「分担型」▽国の指針や基準に沿って自治体が事務事業を行う「重層型」▽国が広域的な視点から自治体を調整する「関与型」▽主に国が担う「国専担型」―の5類型を提示。その上で、関与型の事務は原則廃止するといった各類型の処理方針に沿って、国の事務権限の廃止・縮小や権限移譲を進めるよう求める。

 国から地方に移譲すべき主要な事務権限は、「くらしづくり分野」と「まちづくり分野」に整理して言及する。くらしづくり分野では幼保一元化や教育、福祉・保健など、まちづくり分野では土地利用や道路、河川などの項目を盛り込む。直轄国道の管理権限を都道府県に移譲するなど、既に中間的な取りまとめで打ち出している方針をより具体的に記す見込み。

 都道府県から市町村への権限移譲に関しては、分権委が499事務の移譲案を示し、各省庁に意見照会した。その結果や、都道府県の判断で市町村に事務権限を移譲できる「事務処理特例」を使い、既に多くの市町村が実施している事務などを中心に、移譲すべき事務権限を提示する方向だ。

 国の補助金で建設した施設の当初目的外への転用や取り壊しを制限している規制をめぐっては、政府が完成後10年経過したのを条件に、転用などの財産処分を認める方針を固めている。これを受け、勧告では建設後おおむね10年経過した財産の処分は、原則として事後の届け出や報告で国の承認があったものとみなし、承認の際は国庫納付を求めないことなどを提言する。

 道路特定財源と消費者行政の一元化の2つの問題は、当初の構成案にはなかったが、政府・与党の動向をにらみ、1次勧告で提言することにした。道路特定財源の一般財源化に向けては、地方への税源移譲を含め、地方税財源に配慮するよう働き掛ける方針。消費者行政の一元化では、住民に最も身近な市町村の消費者センターの充実を指摘する見通しだ。

 また、2次勧告に向けた検討課題には、国の出先機関の抜本改革と、自治体業務に対する義務付けといった法制的な仕組みの見直しを挙げる。


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