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官庁速報


2008年 3月28日

環境、雇用などの成長戦略を策定へ
骨太08に反映、4月に一部前倒し

 政府の経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)は2%以上の経済成長を目指す新たな成長戦略を策定する。福田首相の意向を受け、戦略は雇用や環境などの分野に力点を置く予定で、数値目標を盛り込んだプランを各省大臣から提示してもらった上で、先端的な技術開発に関する予算制度を地域限定で見直す「スーパー特区」などの施策を打ち出す見通しだ。また中小企業の経営支援や地域活性化策などについては、「成長力強化への早期実施策」(仮称)として4月初めに前倒しで策定することにしており、最終的には6月ごろに閣議決定される「骨太方針2008」に反映される。

 ただ、成長力強化については、従来も「経済成長戦略大綱」(2006年6月)、「成長力加速プログラム」(07年4月)など同様の方針が作られており、どこまで新味のある戦略を打ち出せるか微妙だ。

◇サミットにらみ技術開発
 新たな戦略策定が持ち上がったのは昨年11月の諮問会議。席上、福田首相が「福田内閣としての成長戦略を早急に検討してほしい」と指示したため、今年1月に閣議決定された「日本経済の進路と戦略」では、「実質2%以上の経済成長が視野に入ることが期待される」と定めつつ、「環境力」「つながり力」をキーワードに技術革新、グローバル化、雇用促進、地域活性化、生産性向上などの施策を盛り込むことを決めた。

 現在は諮問会議で関係閣僚を交えた検討が進んでおり、技術開発については、7月の北海道洞爺湖サミット(先進国首脳会議)をにらみ、温室効果ガスの排出を減らす技術開発を目指す「環境エネルギー技術革新計画」などを盛り込む。

 また、▽福田首相が自民党総裁選で公約に掲げた住宅の長寿命化(200年住宅構想)▽低炭素型のまちづくりを支援するため、地域活性化本部が決めた「環境モデル都市」―も環境負荷の低減策として位置付けられる。

 さらに、最先端の技術開発を支援するため、研究資金に関する縛りを外す「革新的技術特区(スーパー特区)」の創設も打ち出す。現行の構造改革特区は地域限定で規制を緩和し、自治体を認定する仕組みだが、スーパー特区は先端医療などの研究テーマについて、連携して技術開発を進める産学官を支援する制度。認定された産学官の複合体に対しては、複数年にまたがる助成や臨床試験に関する規制緩和などの恩恵を与え、先端的な技術開発を後押しする。

 このほか、高齢者や障害者が暮らしやすい社会を目指し、ロボット技術や情報技術の普及策なども定める。

◇雇用促進に向けた戦略

 グローバル化に関しては、(1)対内直接投資の倍増に向けた税制、規制の見直し(2)経済連携協定(EPA)の推進(3)金融資本市場の活性化(4)アジアからの人材受け入れ―などを規定。福田首相が施政方針演説で言及した「留学生30万人計画」も盛り込む。

 また、雇用促進に向けた戦略も策定する。子育てと仕事の両立を図る「新待機児童ゼロ作戦」、70歳現役社会の実現に向けた能力開発支援などが想定されており、職業訓練の履歴などを示して若者の雇用を促す「ジョブカード」の普及、最低賃金引き上げに向けた官民一体の取り組みといった安倍政権時代の施策も改めて定める。

 さらに、▽医療、介護、保育サービスの充実▽「ワンストップ電子行政」の実現▽サービス業・中小企業の生産性向上▽地域間連携を軸とした地域活性化▽消費者の立場に立った規制改革―などの施策も列挙する。


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