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府職労ニュース


2008年 8月12日

生活実態無視したゼロ勧告
08人事院勧告 府職労の見解

勤務時間を15分短縮(来年4月実施)

 人事院は8月11日、国家公務員の給与及び労働時間等に関する報告と勧告を行いました。今年の勧告は、基本給、一時金とも改定を見送った一方で、住居(持家)手当の廃止見送り、勤務時間の15分短縮などを中心としています。府職労は次の見解を発表しました。

 人事院は8月11日、内閣と国会に対し国家公務員の給与及び勤務時間等に関する報告と勧告を行った。その特徴は、俸給表と一時金の改定を見送ったこと、住居手当の改定を見送る一方で本府省業務調整手当を新設するとしたこと、そして所定勤務時間を1日15分短縮するよう勧告したこと、非常勤職員の待遇改善に言及したことなどである。
 給与部分では、官民較差は0・04%(136円)と僅少なため俸給表の改定が見送られるとともに、一時金についても民調結果は公務と概ね均衡しているとして、改定が見送られた。「貧困と格差」の是正を求める世論を背景に08年度の最低賃金が全国平均で700円超へ引き上げられようとしている中での「ゼロ勧告」は、こうした賃金水準の引き上げの流れに水を差すものである。


■賃上げこそ 内需拡大の道

 今年の春闘では、大企業が空前の利益をあげているにもかかわらず、サブプライムローン問題など先行きの不透明感から財界が徹底した賃金抑制をつらぬき、昨年並みのベースアップにとどまった。しかし、内需拡大による自立的な経済成長のためには、いま大幅賃上げこそが求められており、そのことは、春闘段階で福田首相が異例とも言える賃上げ要請を財界に対し行ったことからも明らかである。また、原油や原材料などの高騰を背景とした最近の物価上昇を考えれば、「民間準拠」にとどまらない「生計費」をふまえた賃金改善が求められており、今回の「ゼロ勧告」は日本経済と公務労働者の生活実態を無視した不当な勧告だと言わざるを得ない。

■地方との格差広げる 本府省手当

  「給与構造改革」の仕上げとして行政職給料表(一)では課長補佐は9・4%(特別調整額相当)、係長4%、係員2%程度の水準を定額で支給するとして「本府省業務調整手当」の新設が勧告された。これは、本府省業務の特殊性・困難性をことさら強調し、本省・地方の格差と分断を一層拡大するもので、手当の新設で対応するのではなく、異常な恒常的超過勤務などその働き方の見直しとともに、超勤手当の完全支給こそが求められている。
 住居手当については、われわれの要求を反映して、持ち家に係る手当の廃止は見送られたが、来年の勧告に向けて廃止を検討するとされたことは問題である。さらに、通勤手当(交通用具使用者)の改定は勧告されなかったが、燃料費の高騰を踏まえれば、実費弁償的性格の強い通勤手当の改善に向け緊急対応が求められている。


■非常勤職員の 賃金改善へ一歩

 昨年の勧告でもふれられた非常勤職員の給与などにかかわっては、@俸給表の1級初号の俸給月額を基礎として、職務内容、在勤する地域及び職務経験等の要素を考慮して決定すること、A通勤手当に相当する給与を支給すること、B期末手当に相当する給与の支給に努めることなどを柱とした「非常勤職員の給与に関する指針」が勧告後に出されることとなった。今回の勧告では、非常勤職員のあり方について検討する必要性が言及されるとともに、休暇や健康診断のあり方についての検討もふれられた。こうした動きは、切実な非常勤職員の要求と運動を反映したものとして評価できるが、「官製ワーキングプア」の解決に向けて、非常勤職員の勤務条件の抜本的な改善が求められている。

■来年を待たず 時間短縮を

 所定勤務時間については、民間企業の実態に合わせ、1日7時間45分(週38時間45分)に短縮し、来年度から実施することが勧告された。
 これは、職場からの切実な要求に応えたものであるが、民間実態を踏まえ、ただちに勤務時間の15分短縮に踏みきるべきである。
 また、超勤問題に関わって必要な予算を確保するよう言及されたこと、心の健康づくりに関わって予防や早期発見に取り組むよう言及されたことは重要である。


■生活改善につながる 賃上げを

 私たちは、この間、自治労連・公務労組連絡会に結集し、人事院への署名や中央行動など公務員賃金引き上げなどを求めとりくんできた。人事院勧告が出されたもとで、京都府人事委員会に対して、生活改善につながる勧告を行うよう求めるとともに、「新たな評価制度」や昇任・昇格基準の問題、非常勤嘱託・臨時職員の勤務条件など独自課題の要求前進に向け、賃金確定闘争に全力をあげるものである。
 また、最低賃金の引き上げや「格差と貧困」の解消、憲法改悪や地方自治破壊、「給与費プログラム」の中止など府政リストラを許さないために運動を強めるものである。


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