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府職労ニュース

守ろう憲法と地方自治 なくそう「貧困と格差」
京都府職労森委員長あいさつ

府職労運動の歴史を受け継ぎ府職労連の発展・強化を

 今日は、府職労の62年の中で歴史的な節目となります。午前に行います本第85回府職労大会では府職労連への参加と規約改正を討議、決定いただき、午後には京都府公立大学法人労組との連合体であり、非正規労働者や府政関連労働者の組織化の受け皿ともなる府職労連の結成大会を迎えます。また、土曜日開催ということも含め、府職労としてはじめての経験です。大変厳しい日々の労働条件のなかで、本当に貴重な休みの日の早朝から本大会に参加いただいていることに感謝申し上げます。

 一昨日、中丹広域振興局で現金が引き継がれいわゆる「裏金」として保管されていたことが明らかになりました。
 公金はまさに府民の血税であり、公正透明でなければならないし、不正流用等は絶対に許されるものではありません。全てを明らかにし府民の信頼回復に努めなければならないことは当然です。府職労としても、全てを明らかにすることを求めるものです。
 府職労は、62年の歴史のなかで一貫して、透明で公正・民主の行政をめざし、汚職事件でも不正を追及し、官々接待を告発、情報公開制度の制定を求めてきました。
 いま職場は、給与費プログラムのもとで、庶務機能が弱まり、自己責任が強調され、秘密主義、トップダウンでの職場運営が少なからず存在しています。透明で、公正、民主的な職場運営の確立こそが急務です。今後行われる全庁調査においても、そうした基本姿勢が求められると思います。

 また、先に起こった国庫補助金問題についても、当局は適正化委員会を設置し、対応するとしています。これまでの事務費の効率的執行ルールの解釈についての是非の問題はありますが、現に今年度に入り、出張が制限されたり、丹後から市内まで公用車出張が余儀なくされるなど、業務に支障が生じています。府職労は、補助金執行のルールの確立について職員の納得と合意のもとにすすめること、同時に国庫補助金のあり方について国に向け要求することを求めるものです。

 道州制はじめ地方自治に対する攻撃が強まるもとで、地方自治を守り、発展させていく上でも、今回の問題について、きちんと対応し、繰り返さないことが何よりも大事なことです。

 さて、京都府庁の流行語大賞があるとすれば今年の大賞は、「限界職場」という言葉が受賞することになるのではないでしょうか。それほど実態は深刻です。今年の人事委員会の職員給与実態調査では、行政職給料表の適用者の数は5451人、府大学への派遣者を含めれば約5600人、平成元年6965人、平成10年6890人に比べ、相当な定数削減が強行されています。また、給与「構造改革」のもとで、行政職の平均給与は昨年のプラス改定にかかわらず8246円も下がっています。
アメリカを震源地とする金融危機のもとで、就職内定取り消し、非正規労働者の大量の雇い止め、中小企業への貸し渋りなど弱者に真っ先に。今日の金融危機は、グローバル経済のもとでの新自由主義と構造改革がもたらしたものであり、トヨタはじめ大企業は輸出と海外投資で史上空前の利益をあげてきました。その「富」の源泉は国民や労働者や地域の中小企業から吸い上げたものです。
 麻生首相は先日新たな経済対策を打ち出しましたが、3年後に消費税導入を宣言し、設備投資減税、海外子会社の利益の課税を免除するなど新たな減税のばらまきをやろうとしています。これで国民の不安が解消されるでしょうか。
 労働者・国民への犠牲の転嫁を中止し、これまでの経済政策を根本からあらため、雇用確保、消費税の食料品非課税、社会保障の充実などで労働者や国民のふところを直接暖めること、地場産業・農業・漁業など地域経済を底から興していくこと抜きに日本経済の再生がないことは明らかです。

 京都府が検討している新「経営改革プラン」も、従来の延長線上ではなくそうした方向にそったものでなければなりません。たんなる財政問題にしてはならないと思います。
 そのためには−@府民の暮らし・福祉を守るを基準に、事業の見直しを行うこと。特に不要・不急の観点でダム、高速道路等の公共事業、行政品質改善などの行革関連の経費、IT、イベント、国直轄負担金などの見直しを行うこと。A一部の特定スタッフの検討でなく、府民の暮らしと直結する職場から、職員を信頼して英知を結集するとりくみをすすめること。B府民の暮らし・福祉と地域経済の基盤整備こそ、府財政確立の道の立場で、積極的な支援策を講じること。C国にむけ地方財源確保のため政治を変える府民運動をよびかけ、要請行動、集会、アピール、署名など職員・府民の知恵と力あつめることが重要です。

 かつて、京都府は、昭和50年の府予算の2割執行留保にとりくみ、様々な努力のなかで108億円を生みだし、様々な府民の暮らしと営業を支える施策を行いました。府職労はぞの先頭にたって分会ごとに仕事の見直しを行いました。その視点は府民生活を守ること、「ムダをけずって前進しよう」と職場から職員の力を総発揮してとりくんだことがあります。そうした力を府政のすみずみに発揮させることがいま何よりも、いまの京都府にとって必要なのではないでしょうか。

 府職労、京都府公立大学法人労働組合がそれぞれ大会を開催し、府職労連への参加を決めていただき、府職労連結成大会を迎えることができました。
 ふり返ってみると、府立大学キャンパスでの連日の昼休みトーク宣伝、府立医大周辺でのアンケート活動、街頭での署名や宣伝、シンポジウム、新聞折り込みのビラなどの法人化反対のたたかい、そして法人化結成後の法人労組の運動、府職労連結成にむけ準備委員会を結成し大会を準備してきました。10月18日に開催された職員ふれあいフェスタでも、法人と法人労組が新たに主催団体に加わり、ともに汗をながすことができました。様々な試行錯誤はありましたが、府職労運動をこうしてここに府職労連の結成という形で継承、発展できることをお互いに喜びあいたいと思います。

  「構造改革」路線の矛盾は、とりわけ医療と大学教育の分野で集中的にあらわれています。政府の度重なる医療改悪のもとで、京都府医師会は「従来の一政党支持を改め、社会保障の充実を基軸とする「社会保障立国論」を政策方針として策定し、ぶれない立場で広く社会に働きかけを行う」ことを提唱しています。今年のノーベル化学賞、物理学賞の受賞は、大学での基礎研究と自由な学問研究の重要性をあらためて明らかにし、大学等の法人化やその後の予算削減、競争的資金獲得などの方向に警鐘を鳴らすものとなっています。また、世界的な高学費の解消と就学条件の改善も国民的課題となっています。

 地方自治への攻撃は、税務の共同化、分権改革、市町村移譲、関西広域連合、道州制など急ピッチですすめられていることは確かです。しかし、一方では、来賓であいさついただく新井団長からもふれられると思いますが、9月府議会で与党議員も含め慎重な声が相次いでいるというのも大きな特徴になっています。

 道州制は、財界の活動基盤のための道路や港湾、空港などのインフラ整備等の産業政策に特化し、地方自治を完全に否定し、新たな国民統治の機構づくりをねらうものです。その動きも関西広域連合等急ピッチですすんでいます。しかし、金融危機のもとで、地域経済、雇用や暮らしの安定を基礎にすすめること抜きに、日本経済の展望はひらけません。その上で地方自治の発展充実こそ求められます。金融危機の犠牲を国民に転嫁せず、国民生活をまもるたたかいと地方自治を守るたたかいをまさに不可分のものとして全力をあげるものです。

 地方自治、都道府県のあり方、府政やそれぞれの施設のあり方は府民、住民が決める、このことの重要性をあらためて強調したいと思います。この間府職新聞の委員長訪問で、トラック協会や漁協の会社の社長さん、計量検定所や福知山高等技術専門校分会の方々や修了生の方と懇談しました。福知山高等技術専門校の家具・工芸科の修了生は、廃止の話しを聞いて、わずか2日間で119人近い方から嘆願書が京都府知事に寄せられました。お話を伺いましたが、本当に地域のこと、産業のことを大事に思っていられる気概や熱意がひしひし伝わってくるものがありました。

 来春闘、府職労連は市町村の組合の方々とも協力し地域調査を行うことを考えていますが、あらためて府民の意見や声に耳を傾ける姿勢を府職労連の活動の基本に貫いていくことを重視します。

 麻生首相は、3年後に消費税増税を宣言した追加経済対策を発表しました。一方で同じ日、親が国保証を払えないために医療にかかれない子が3万3000人にのぼることを厚生労働省が明らかにしました。こんな冷たい政治をいつまでも許すことはできません。解散総選挙をかちとり、国民本位の暮らし応援の政治を実現させましょう。

 知事選挙は1年5ヶ月後に行われる予定です。民主府政の会の全体会議も開催し、連続学習会などのとりくみをすすめています。府民の暮らし、地方自治、私たちの職場の未来がかかったたたかいになります。職場や地域から議論と運動を積み重ね、府民本位の府政をめざしたいと考えています。

 府職労運動の礎を築かれた、元委員長の大江洸さんが4月に永眠され、先日19日に偲ぶ会が行われました。大江さんは、蜷川府政のもと京都府の最初の職員採用試験で京都府に入られましたが、その時の試験は「憲法について論せよ」というテーマで、大江さんは父親と一緒にとりくんだ戦争孤児救済や地方公共団体の役割など、体当たりの憲法論を論じたとのべておられます。11月3日には円山公園で憲法9条京都の会がよびかけ憲法集会が開催されますが、大江さんの遺志を受け継ぎ、憲法を守り、生かす運動に全力をあげましょう。
    


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