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「指揮命令できる請負」認めろ!?
戦前回帰求める日本経団連の規制緩和要望

 日本経団連が毎年、政府に対して行っている「規制緩和要望」。今年も6月末に公表されましたが、雇用ルールの項目には戦前回帰をめざすとんでもない要望が含まれています。

 「雇用・労働」では労働者派遣法の緩和や、裁量労働制など労働時間規制の緩和が要望の中心です。
 今回は、派遣と請負の区別に関する基準(告示三七号)の見直しを提起しています。現行基準では、請負契約であっても発注側が労働者に指揮命令すれば、派遣とみなすことになっています。経団連要望は「生産効率を維持・向上させるために必要なコミュニケーション」も請負事業に認めるべきだとしています。要するに、発注側が指揮命令できる請負があってもいいじゃないかということ。

 その理由について、「近年の製品サイクルの短期化や技術革新に対応していくためには、日々のコミュニケーションが欠かせない」からだと説明しています。発注側の指揮命令が禁じられていては、労働者との意思疎通がうまくいかず、「生産効率の低下を招く」と言うのです。

 基準の見直し自体は2005年にも要望していますが、そのときは、請負業者への機械・設備貸与などを無償にすべきという内容でした。指揮命令の問題には言及していません。

 「指揮命令」の有無は、派遣と請負を区別する際の根本問題。指揮命令が可能な請負は、既に請負でも派遣でもありません。職業安定法四十四条が禁じている「労働者供給事業」そのものです。戦前、中間搾取や強制労働という弊害を伴ったため、戦後全面禁止されたものです。
 経団連要望は安倍首相と歩調をあわせ、労働分野で戦後レジームからの脱却と戦前回帰をめざしているようにみえます。


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