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「ヒヤリ・ハット」約9割の看護師が体験

「もう疲れ切っている」慢性疲労が75%

京都医労連が医療現場の実態調査

 日本医労連は看護現場の実態を明らかにする「看護職員の労働実態調査」を昨年夏に取り組み、31,147人分を集約しました。  京都では、昨年の秋から今年の4月末にかけて1,282人(看護師987人、准看護師64人、看護補助者82人、助産師43人、保健師3人、その他95人)から回答を得ています。この集約数は、京都の就労看護職員数20人に1人を超える数字で、京都の看護職員の置かれた実態を示す集計結果です。なお、一部、日本医労連の集約後に回収したデーターもあり、後述の京都のデーターが全て日本医労連に集約しているとは限りません。また、5年前の京都のデーターは774人から回答を得ています。
 集約結果の特徴は第1に看護現場がいっそう忙しくなり、労働条件が悪化していることです。「最近、看護業務量が増えた」という回答が5年前(京都)の55.3%から69.0%と達し、全国の62.7%よりも上回っています。「終業時間後の仕事時間が1時間以上」が5年前の35.2%から55.7%に、全国は44.1%、「2時間以上」でも5年前の6.3%から17.2%、全国は11.3%、平均の始業時間前労働は5年前の18.1分から21.9分、全国は19.5分と5年前や全国の調査と比べても大幅に悪化しています。「年次有給休暇の取得が年間5日未満」が5年前の16.8%から32.8%と2倍近く増えています。(全国では30.9%)

 第2には、超過密労働の下で、患者のいのちと安全が脅かされていることです。「十分な看護が提供できている」という回答はわずか5.7%(5年前と変わらず)で、全国の8.1%と比べても深刻な状況となっています。その理由としては「人員が少なすぎる」66.6%(全国:55.7%)、「業務が過密になっている」54.6%(全国:53.9%)と他の項目を大きく引き離しています。そして、「この3年間にミスやニアミスを起こしたことがある」が87.1%(全国:86.1%)に達し、医療事故の原因としては「医療現場の忙しさ」が86.7%(全国:84.1%)の高率であげられます。

 第3には、看護職員が疲れ果て、退職などのバーンアウト(燃え尽き)が進行するという看護師不足の悪循環に陥っていることです。平均年齢35.0歳という若い集団でありながら、健康不安が68.0%、慢性疲労が75.0%となっています。そして「仕事をやめたいと思う」という回答が73.1%に達しています。やめたい理由は、「仕事が忙しすぎるから」45.2%、「仕事に達成感がないから」22.2%、「本来の看護ができないから」23.7%となっています。
 看護現場はまさに異常な状態であり、配置人員の抜本引き上げをはじめとした緊急対策が必要です。そして安全でゆきとどいた医療・看護を実現することが切実に求められています。


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