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府職労ニュース


2010年 1月 6日

人づくり中心、ハードからソフトへ転換へ
住民主権が基本

知事選挙の年 門ゆうすけさんにインタビュー

 昨年は自・公政権が倒れ、「政治は変えられる」との実感を国民が持つことができました。しかし、格差と貧困は、まだまだ先が見えません。国政も、自治体行政も「構造改革」路線から、国民、住民主権を確立しなければなりません。そのチャンスの時がきました。民主府政の会が推せんする門祐輔さんへの期待が高まっています。新書記長・高橋幸信さんが門さんにインタビューしました。

●府民に見える府政を

高橋 候補者活動をされての感想や新しい発見はありましたか?
門 立候補する決意をした時はまだ自公政権のもとで「構造改革路線」が続いており、何とかしなければという思いが強くありました。最初に行った丹後は、「売上が前年の87%減」「丹後ちりめんでは時給200円にもならない」など壊滅的な不況で、カウンターパンチをくらったような気持ちでしたね。それから、どこに行っても「府政が見えない」という声をよく聞きました。
 26の市町村すべてを訪問し、自治体の長や医療関係者、経済界の方、住民の方々とお会いしました。その中で、日本経済の最大の弱点である外需依存から内需拡大の方向に転換していくためのモデルがいくつもあり、自治体が施策を行う際の大きなヒントになると感じました。

●「効率」優先が貧困を増やす

高橋 知事になられたらまずやりたいこと、思い描いている「京都府像」を教えてください。
門 一番大事なのは、まず「人づくり」中心、ハードからソフトへ転換すること、内需拡大に徹底してとりくむことです。そしてもうひとつは現場に近いところの強化。これを発信していきたいと思います。
 必要ない大型工事はやめ、必要な公共事業は京都の業者に発注する仕組みをつくる。今まで「効率」を最優先に求めてやってきた「構造改革」ですが、人をモノ扱いしたり、貧困を増やしたり…結局、社会的に見れば実は「非効率」なことなんです。そうではない「京都府像」を示していければと思います。
高橋 いま、まさに府の職場運営も「効率」が最優先で様変わりしています。府の職員とどういう関わりをもっていきたいですか?
門 人間は何で動くか、ひとつにはやりがいがあるかどうかだと思います。
 私は民間病院の経営者でもありますが、これだけ厳しい時代ですから不補充職場をつくったりすることもあるわけです(笑)。一方で仕事は増えますから、職員は疲弊してしまいます。そういう中で、私の病院の例ですが、週に1回1時間程度、外来カンファレンスを始めたんです。普段忙しく仕事をこなしている中で、「気になる」ことを色んな角度から検証し集団で対応していく。すべてがうまくいくわけではありませんが、そういう事例、成功体験を積み重ねていくことで職員がやりがいを感じ、元気になっています。職員の時間を1時間費やすことで、全体としてはモチベーションが上がり、その延長線上でホームレス支援などにもとりくんでいます。

●職員のやりがいを引き出す仕組みを

高橋 ホームレス支援は病院としてとりくまれているんですか?
門 全部ボランティアですよ(笑)。でも毎回、交替で必ず誰か参加していますね。効率を重視すればそういうことはなくなってしまうのでしょうが、自分がやっている仕事の意味が実感できる場があるということ、そしてそういう現場の意見が上に伝わる仕組みづくりが大切ではないかと思います。
高橋 職員のやりがいを引きだすということですね。今の府庁で一番欠けている点です。ところで、門さんは3人のお子さんがいるそうですが、子育ての苦労や喜びといったことをお聞かせください。
門 どちらかというと仕事人間でしたので、そういうことをいうと叱られますが(笑)。綾部の病院に6年間勤めていた期間、保育所への送り迎えは私の仕事でした。綾部は広々としてのんびりしていましたから、子どもがどんどんたくましくなっていく姿を目の当たりにしました。上京区ではPTA会長も経験しました。

朝4キロ走ることを習慣に

高橋 院長とPTA会長を両立されていたんですか。また、門さんといえばマラソンですが?
門 始めたのは綾部のときです。夜帰るのも早かったので(笑)。福知山マラソンもあり、病院の女子駅伝チームの監督的存在になってしまいまして。いまは、週1回4キロ、朝方に走ることを習慣にしています。本当は朝に走るのは健康によくないんですが(笑)、御所や鴨川、大文字など空気のいい所を走っています。

●公務への信頼につながるプロ意識を

高橋 知事選挙もいよいよ本番を迎えますね。最近は国でも自治体でも、「公務員賃金を下げる」「公務員を減らす」ということが票につながっているような状況もありますが。
門 公務と民間が足を引っ張り合っている現状をどこかで変えないとだめだと思います。
 医療もひとつのモデルですが、日本の病院の8割は民間です。しかし、「公的な仕事」だという自負を持っています。けれどもその中で、公立病院に役割を発揮してもらわなければならない部分もある。最先端を追求するとかそういうことでなく、公立でしかできないことをやっていると同業者や地域住民の目に見える形で示していかないといけません。ただ人を増やすだけではダメなんです。
 世論として公務員バッシングはありますが、長い目で見たときに公への信頼につながる「プロの仕事」をすること、実績づくりを意識しながらやっていきたいと思います。

高橋 最後に、職員へのメッセージをお願いします。
門 あらためて「公務員の仕事はどういうものか」を考え、働くこと自体の喜びや楽しみを感じられる仕事を一緒にしたいと思っています。
高橋 門さんのメッセージもしっかりと伝えていきたいと思います。ありがとうございました。 


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