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府職労ニュース


2010年 9月 2日

ほんとに、人材育成になるの?
新たな人事評価制度「アンケート」結果から

あるべき評価制度への真摯な声

●職場のチームワーク破壊への危惧

 新たな人事評価制度について、現在、当局は早期の本格実施の方針を掲げながら、第5回目の試行となる「検証」を実施中ですが、この間、府職労と同女性部は、それぞれ「新たな人事評価制度」についてのアンケートをとりくみました。府職労アンケート結果をふまえての府職新聞特集号(号外)は別途、発行予定ですが、ここでは両アンケートに寄せられた職員の特徴的な声を紹介します。

●相対化通知で矛盾顕在化

 「『Bです。3です』だけで、あとは何もなかった」「『あなたはB』との結果通知だけがあり、なぜ私がBなのかを聞いても『分からない』との答えだった」「結果の理由を聞いても『自分が評価していないから分からない』と言われた」「新しい所属長ということもあり、ほとんど顔も見ずに結果を伝えるだけ」「電話での雑談に終わった」
 これらは4回目の試行(※当局用語では「検証」)で、6月22日を中心に初めて行われた相対化を経ての結果通知(フィードバック)時の状況について語る職員の声です。

 所属長が、あるいは該当の職員自身が5月末の人事異動によって新しい所属に変わった場合には、3月に行われた絶対評価の結果通知(フィードバック)とは異なる所属長からの通知となりました。その意味では確かに「私が評価したのではない」ということになるのでしょうが、あまりに第三者的な対応に職員からは「本当に形式的で、前の所属でのこと、という感じだった」「ただ、結果を伝えているだけ、という感じだった」との落胆の声が挙がっています。

 そして、職員からは「評点のみの通知であり、助言・指導からはほど遠い」「『Bは標準ですよ』と言われても『たいした仕事はしませんでしたね』とだけ言われているような気がする」「業務内容が違うのに、どうやって正当に評価されているのか分からず、評価結果に納得できない」「なぜBなのかの説明を所属長としてちゃんとできていない」「Bと言われて嬉しいはずがない。モチベーションが下がるだけ」「グループ内で評価結果の違いが明らかになり、気まずい雰囲気となった」などの指摘があります。

 この間の相対化を経ての結果通知が、いかに機械的・形式的な内容となっているかが浮き彫りとなりました。現場の受けとめと、当局が掲げている「人材育成のための制度」とのギャップは大きなものがあります。

●給与・処遇反映への強い危惧

 「絶対評価ではなく、相対評価という点が問題」「職員のモチベーションにマイナスとなる」「評価される職場とそうではない職場が生じることで職員のモチベーションにマイナスとなる」「頑張っている人がそのままきちんと評価されればよいと思うが、現状では評価の基準がしっかり明確になっていない」
「上司本人同僚といったいわゆる360度評価が出来れば別だが、このような上司→本人への一方通行の評価では、公正・公平が担保できないので、給与や昇任昇格に、反映すべきでない」「人材育成のための制度というなら、処遇反映は矛盾している」
 これらは、相対化結果を勤勉手当や査定昇給、昇任・昇格に反映させるという当局提案に対する職員からの危惧の声です。そして、職場運営・職員の協力体制への悪影響を指摘する声も強くあります。

 「職場に不公平感が生まれ、人間らしさが減り、ギスギスした職場になるのを心配する」「看護などはチームで仕事をするもの。適材適所で、その人の能力が生かせたらよい。あと少し努力をしてほしい所を努力してもらう」「評価基準があいまいで、上司によって評価が違う。職員の協力体制が壊される」「目標を持って、しっかり仕事することは当然。…大多数のものがしっかりと業務をやっている中で、差をつける扱いをされれば、チームワークの業務が成り立たず、職場でのOJTもできなくなる。結果的に〝人〟が財産となっていく京都府には、将来的には大きなマイナスになる」などの指摘があります。

●あるべき評価制度とは

 今回のアンケートで改めて職員からの声が集中したのが、あるべき評価制度との対比で現状の制度(案)をどう評価するのかについてです。
 「いろいろな仕事がある中で、現状の制度(案)で客観的な評価が可能だろうか?」「ある程度は公平な評価ができていると納得がないままでは不信感をあおるだけ」「評価者が信頼できる評価をするならある一定必要とも考えるが、現状は部屋から出てこない人に私がどれだけ理解されているか分からない中での反映には反対である」などの声です。

 そして「今までであれば、自分の仕事に誇りもあり、府民に役立つ仕事と思えばこそ、イヤなこともガマンしてやってこれたが、他人より抜きん出たことをしないと認められないと思うと、意欲が減退する。お金のことももちろんだが、自分の仕事ぶりなり、私自身が否定された気持ちになる」「アピールの上手な人、声の大きい(主張が強い)人が有利になるのではないか。また、書き方など技術的な面で判断が左右されるのでは?という不安がぬぐえない」などの指摘があります。

 府職労は、この間にとりくんだアンケート結果をふまえて全職員向けの「府職新聞特集号」(号外)を発行するとともに、質問・要求書を作成し当局へ申し入れ、意見交換会の開催をめざします。