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府職労ニュース


2010年10月 5日

国に追随 2年連続の賃下げ勧告
持ち家手当は来年度勧告で廃止、55歳超職員の給与減額は見送り

10京都府人事委員会勧告への府職労連見解

 京都府人事委員会は、10月1日、「職員の給与等に関する報告及び勧告」を行った。その内容は、人事院勧告に追随し、年間給与を95,000円引き下げるという2年連続の大幅なマイナス勧告である。京都府職員のみならず公務・公共労働者、民間労働者の賃金に悪影響を及ぼし、さらなる消費後退と景気悪化という「負のスパイラル」を拡大するものであり認められない。

■ 賃金底上げに水を差すマイナス勧告

 公民較差は、△0.12%(管理職給与カットがない場合)とされたが、本年4月に地域手当が平均0.8%引き下げられたことや昇給制度が改悪されたという京都府事情、昨年までのデータの連続性が無くなること等、総合的に考えれば国と同水準の「マイナス較差」には納得できず、府人事委員会が説明責任を果たすよう求めるものである。
 また、△481円のわずかなマイナス較差のもとで、人事院勧告に準じた給料表の引き下げ改定を勧告したことは、春闘の賃上げ状況など民間実態に合わないだけでなく、最低賃金引き上げという賃上底上げの流れに水を差すものである。
 一時金については0.20月分引き下げ、47年ぶりに年間4ヶ月を下回るとの内容は、職員の生活設計を根底から脅かすものであり容認できない。

■ 年齢差別の賃下げは見送り

 一方、「本府の民間給与の状況を更に検証する」必要があるとして55歳を超える職員の給与減額を見送ったこと、実質較差がプラスであるとして遡っての「減額調整」を行わなかったこと、43歳未満の若年・中堅層に限定したものの1号給の回復措置を勧告したこと、時間外勤務手当にかかわって日曜日等を月60時間の時間外勤務時間の積算基礎に含めるとしたことは、私たちのたたかいを反映したものであり評価できる。

■ 持家手当 来年度勧告で廃止

 持ち家に係る住居手当について、今年度は維持したものの、「経過措置を講じる」としながら「平成23年度において廃止する」としたことは、地方公務員の持ち家比率が高く、多くの職員が住宅ローンを抱えている実態や地公法で定められた「生計費」原則を無視したものと言わざるを得ない。また、来年度廃止の「予告勧告」は、毎年4月の公民較差によって給与や手当の改定を勧告してきた人事委員会勧告制度のあり方にも係わるものであり、断じて認められない。
 さらに、2度の人事委員会交渉においては「公民較差、他府県動向を見ながら、廃止も含めて慎重に検討」との回答に留まっていたにもかかわらず、最後の人事委員長との懇談で初めて「来年度の持ち家手当廃止」を持ち出したことは、人事委員会と職員団体の信頼関係にもかかわる重大な問題である。

■ 勤務条件改善に言及

 勤務条件については以下の報告がされた。①勤務時間については、「総実勤務時間の縮減にまで至っていない」とした。②不払い残業根絶のため超勤予算確保を求めていることに対し、その趣旨を踏まえて「時間外勤務の事前命令等を引き続き徹底する」とした。③健康の保持増進については、「職場復帰した職員について、管理職員・専門医等が緊密に連携」する必要性について述べた。④仕事と育児・介護等の両立について述べた。⑤非常勤職員の勤務条件について引き続き改善を図るよう述べた。
 これは、私たち職員の生活と仕事をめぐる実態を踏まえて、その改善を求めたものであり、府当局はこの内容を真摯に受け止めて、改善に向け努力することが求められている。なお、退職年齢の引き上げに係わる高齢期雇用問題は、職員の人生設計にかかわる重大な課題であり、労働組合との協議を求める。
 なお、公務員制度改革にかかわって、「人事評価制度を早期に確立する必要がある」と例年より踏み込んだ報告を行ったことは、労使交渉事項に介入するものであり看過できない。

■ 年末確定闘争に全力をあげよう

 私たちは、この間、京都府人事委員会に対し、要求署名や交渉、学習会など職場からのたたかい、官民共同のたたかいをすすめてきた。いま京都府政は、「府政改革」をさらにおしすすめ、関西広域連合の設立などの新たな動きを府民不在で強めている。
 府職労連は、府に働く全ての労働者の要求前進をめざして、年末確定闘争に全力をあげるとともに、地方自治の本旨が生きる働きがいある京都府政の確立に向け奮闘するものである。