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2020年2月22日

2020春闘
「働く」はみんなのもの/第6話

キャバクラ女子~(6) 暴言に労災、税金の重荷
ジャーナリスト 竹信三恵子さん


 

 キャバクラで働く女性たちの話を聞いていると、労働者なのに労働者への支えがない、というつらさが浮かんでくる。
 都内のキャバクラで働いていた30代の女性は、機嫌の悪い客に「死ね」と言われた。「キャバクラって、さわってトクするところだよね」と言われ、胸や足を触りまくられた。パワハラ、セクハラだ。
 抱きつかれてけがをしたこともある。普通なら労災だ。でも、店にはフォロー態勢がなく、対応してくれなかった。腹が立ち、退職すると言ったら、店は「1カ月前の予告ではないからそれまでの給料は出せない」と言った。1カ月と8日分もあったのに。店が得するところだけ「働くルール」が顔を出す。
 友達が教えてくれたユニオンに加入して交渉を始めた。「私、世間知らずだから。次の店は大丈夫かな」と女性は言う。
 夜8時から翌朝5時までの契約だったのに週4回、1回平均3・5時間で早帰りさせられていた女性もいる。客がいる時だけしか働かせないのだ。おごってもらった時の割り戻しである「ドリンクバック」が1杯で200円程度。これに同伴出勤や指名で何パーセントか上乗せされる。収入は多くて月3040万円。家賃は月4万円だが、生活できない。「お酒を飲めなかったらバックもなし。生活できなかった」と思う。
 「困ったのは税金」という女性もいる。確定申告の仕方がわからない。真面目に申告したら、経費の領収書が少なくて、税務署から膨大な請求がきた。「やば」と思った。税理士にも相談したが、修正申告しようにも証拠の書類がないと難しいといわれた。
 夜の仕事では、働くルールは誰も教えてくれない。「高校で教えといてほしいよ」。その通りだと思った。〈連合通信)


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