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2015年 8月05日更新

「自治体消滅」に負けない
住民とともに地域づくりに挑戦
 
小さくても輝く自治体

 「2040年までに523自治体が消滅」。民間有識者でつくる日本創生会議(座長・増田寛成也元総務相)の提言が昨年、全国に衝撃を与えました。政府の「地方創生」政策はこの流れの中で打ち出されました。でも「消滅」の脅しに抗し少ない人口や山村であることを逆手に取って、魅力ある村づくりに挑戦する自治体も出ています。

▼小さいことはメリット/長野県栄村

 「人口減少を取り上げて地方消滅を語るのは笑止千万であり、無責任だ」。長野県栄村の高橋彦芳元村長は、7月初めに同村で開かれた「第20回全国小さくても輝く自治体フォーラム」で、こう発言しました。
 高橋さんは「平成の大合併」の時、独自路線を貫き自前の地域づくりを進めてきました。長野県内では3番目に高齢化率の高い自治体ですが、24時間駆けつけヘルパー事業を立ち上げるなど、「高齢者が安心して暮らせる村」をめざして努力してきました。

・元気の源は住民参加

 重視したのは住民参加です。「住民の中には素晴らしい知恵や特技を持っている人たちがいる。それを発見すること。その人たちを公共の場にどう登場してもらうかだ。行政と住民が一つになれば、いろんなことができる」。人口およそ2千人の小さな自治体だからこそ、細やかな行政サービスが可能になります。

 フォーラムで大森彌・東京大学名誉教授は「人口減で自治体が消滅するなどあり得ない。人口が減るほど自治体の役割は高まる。むしろ行政と住民が自信をなくしてしまった時が消滅の危機だ」と指摘しました。

▼山を資源として活用/群馬県上野村

 「村にあるのは山だけ。大きな工場もなく過疎化を止めるのは困難」という自治体は少なくありません。でも発想を転換して、山を資源として活用する自治体もあります。

 群馬県で最も人口が少ない上野村(約1340人)は、村面積の95%が森林です。1970年代から林業振興と、IターンやUターンによる定住策に力を注いできました。

 最近では、間伐材を原料にした木質ペレット(小さく固めた固形燃料)工場を建設し、ペレットボイラーも設置。村営住宅の暖房や日帰り入浴施設の冷泉過熱などに利用しています。おかげで電気代は以前の半額以下になりました。

・エネルギー自給自足へ

 「電気代として支払っていたお金を村内に還元できるようになった」と、神田強平村長。今年3月には熱供給だけでなく、木質バイオマス発電所も建設し、エネルギーの自給自足を追求しています。
 こうした循環型システムを軌道に乗せて、「5年間で人口を1500人に増やす」と、元気な村づくりに意欲を燃やします。

▼「全国小さくても輝く自治体フォーラム」とは

 政府主導の「平成の大合併」(1999~2005年)に反対する小規模自治体を中心に始まった運動。「自分たちの町・村のことは自分たちで決める」と宣言して、03年に第1回フォーラムを長野県栄村で開催しました。首長や職員が経験を交流し、励ましあってきました。約60自治体が参加。「過疎」と呼ばれながら、人口増に転じた自治体も少なくありません。〈連合通信〉
  
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