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地方交付税の削減はやめろ |
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政府の地方財政対策 |
▼地方交付税1300億円削減 総務省は1月14日、2015年度の地方財政対策を発表した。地方の一般財源総額は税収増により前年度を上回る61.5兆円を確保している。しかし地方交付税については、法定率は一定の見直しを行っているものの、特別加算を削減したことにより、総額は前年度より1300億円減の16.8兆円となり、3年連続の削減になった。地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債も前年度より1.1兆円減額され、4.5兆円となっている。「三位一体改革」以降、地方の財源不足は依然として深刻であり、2014年度も10.6兆円もの財源不足が生じている。地方の税収は全体として増収になっても、地方の税源には格差があり、地方自治体間の財政力の格差は拡大する。地方交付税は地方の財源格差を是正し、地方の財源不足を解消させる重要な役割を担うものであり、今後も、法定率の抜本的な引き上げを含めた拡充が求められる。 ▼特定の都市に集中する「連携中枢都市圏」の形成 地方財政対策は「まち・ひと・しごと創生事業費」として1兆円を計上しているが、その中に前年度からの「地域の元気創造事業費」3500億円分が含まれている。「地域の元気創造事業費」における地方交付税の算定は、「現行の算定方法を基本的に継続」するとして、昨年度に続き人件費削減などの「行革努力」を反映させている。地方交付税の目的、理念に反して地方に特定の施策への誘導を図る算定方法に対しては、「地方自治、地方分権の理念に反するものであることから、このような算定を改めること」とする意見書が岩手、宮城、和歌山、広島、高知の各県議会をはじめ、全国の多くの地方議会からも上がっている。 「まち・ひと・しごと創生事業」では中心都市と周辺の市町村を再編する「連携中枢都市圏」の形成へ2億円を計上している。この事業が促進されれば、「増田レポート」が打ち出しているように、「選択と集中」の名のもとに特定の都市部に投資が集中し、周辺の市町村が切り捨てられることになりかねない。また「人口減少等特別対策事業費(仮称)」では、人口の増加率や就労率を指標とし、「成果」のあった地方自治体に割り増しするものとなっており、努力をしても成果の上げられなかった自治体には不利に配分されるしくみになっている。「まち・ひと・しごと創生事業費」が、国の特定の施策を地方に押し付けるのではなく、住民の要求に応え、地方自治に基づいて地域の実情に合った施策が展開できるようにするべきである。 ▼地域医療後退させる「改革ガイドライン」 また、「公共施設の老朽化対策の推進」として、公共施設を「集約化・複合化・転用・除去」する財政措置として、昨年の債権発行に加え新たに事業経費を打ち出している。公共施設を耐震化、新増設する財政措置が十分でない中で、公共施設を解体、統廃合する財政措置をうちだすことは、地方を公共施設の統廃合に誘導することにつながりかねない。また、「公立病院改革の推進」として、「公立病院改革ガイドライン」に基づいた「再編・ネットワーク化への財政措置の重点化など、地方財政措置を見直し」するとしており、地域医療を後退させかねない内容になっている。 安倍政権の進める「構造改革」により、地域の貧困と格差はますます増大している。国がやるべきことは、国民が全国のどの地域に住んでいても憲法に基づく健康で文化的な生活が営めるようにナショナルミニマムを保障し、地方自治体の財源格差を是正して、地方財政を拡充させることにある。「行革努力」を反映する地方交付税の算定や、公共施設の統廃合、公立病院の再編を促進する施策は行うべきではない。 ▼公務・公共サービス支える財政拡充を 自治労連は、地方自治体が憲法に基づき「住民の福祉の増進」(地方自治法)を図る役割を発揮するために、国が責任を持って地方財源を保障することを要求する。地方交付税については「三位一体改革」で大幅に減らされた額を元に戻し、地方財源格差を是正し、財源保障の機能を果たすよう、制度の拡充を図ることを求める。自治労連は、2015年度政府予算案が審議される通常国会に対する取り組みをはじめ、公務公共サービスを支える地方財政を拡充させるために、引き続き、住民、自治体関係者との共同を広げてたたかうものである。(2015年1月20日) |
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