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2014年 12月25日

消費税増やして法人税減税
消費税の問題点

応能負担原則に逆行

 所得の低い世帯ほど使えるお金の割合が減り、中小零細企業に大きな負担を強いる消費税。導入時の1989年度から約四半世紀の間に、消費税収は年間約7兆円余り増える一方で、法人税は同約9兆円も減っています。法人税の減税分を消費税で補てんしている計算です。

 消費税による国の年間収入は89年度に3・3兆円だったのが、2012年度には10・4兆円にまで増えました。一方、企業の利益に課税する法人税は、消費税導入直前は42%だったのが、12年度は25・5%にまで低下。税収も同19兆円から同9・8兆円に減少しています。

 税制は、担税能力に応じて負担する「応能負担」でなければ、社会は成り立ちません。払える人や企業により多く課税するという原則です。これに基づいた所得税や法人税の「累進課税」がどんどん緩和されてきました。逆に、所得が低い人ほど負担割合が増える消費税が増税されてきたのです。

 経団連は海外企業との競争を理由に、法人税や社会保険料の企業負担を一層軽くし、消費税については20年代半ばまでに税率を10%台後半に引き上げるよう提言。安倍政権も6月、国税と地方税を合わせた法人税の「実効税率(現行30%台半ば)」を「数年で20%台」にする方針を打ち出しています。

 国内経済の再生や、社会保障の確立を本気で行おうとしているのか、大きな疑問符が付きます。

本当に社会保障拡充のため?増税先行の「一体改革」

 消費税率8%への引き上げは「社会保障との一体改革」として進められました。しかし、実際に社会保障の拡充に使われているのはごくわずか。10%への増税でも、社会保障拡充に使われるのは一部に過ぎません。子育て支援や低額年金者給付ですが、これさえ増税延期で先送りが検討されています。

 消費税の8%への引き上げで得られる国の増収は5兆円程度。このうち明確に社会保障の「充実」に使われるのは、国の資料でも0・5兆円しかありません。

 消費税は一般財源として他の税金と一緒に国庫に入ります。「基礎年金国庫負担分2分の1の恒久化」に充てるといいますが、一般財源でまかなってきたものに「消費税」というラベルを貼っているだけ。増収分は別の使い道に回されています。

 消費増税を決めた際の、民主、自民、公明の三党合意では、「社会保障給付に要する公費負担の費用は、消費税収(国・地方の)を主要な財源とする」と明記され、法律にも反映されました。社会保障の拡充が消費増税の「人質」のように扱われることが危惧されましたが、事態はそのように展開しています。

 増税の延期により、政府はこのほど、低額年金者への給付措置や、年金給付に必要な加入期間の短縮などを先送りにし、子育て世帯臨時特例給付金(1人あたり1万円)の中止を明らかにしています。(連合通信)                                                           
 

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