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2014年 12月11日

特定秘密保護法が施行
選挙で信を問うことなく…

全国で廃止求め集会や声明

 行政機関が指定する「特定秘密」を漏らすと最大10年の懲役刑が課される特定秘密保護法が、12月10日に施行されました。昨年、国会周辺が怒号に包まれる中、安倍政権が数の力で押し通してから1年。ついに一度も国民に信を問うことなく、スタートさせます。

▼あてにならない監視機関

 特定秘密保護法とは、防衛、外交、テロの防止などについて、行政機関が指定する「特定秘密」を漏えいしたり、知ろうとする行為を罪に問う法律。公務員だけでなく、民間人も対象になります。

 漏えいや、人をあざむくなど「不正」な方法による情報取得には10年以下の懲役、正当に情報を得た場合でも他人に漏らせば5年以下の懲役が課せられます。

 最大の問題は、「特定秘密」の基準があいまいで、「犯罪」となる範囲が恣意的に広げられる恐れがあること。何が「特定秘密」なのか、裁判所にも明らかにされません。知らないうちに秘密に関わり、逮捕されてもその理由さえ分らないということも起こり得ます。市民や労組、報道機関が、政府の戦争政策や原子力政策を監視できなくなることが懸念されます。

 このことは、安倍首相自身認めています。10月の国会答弁では、集団的自衛権の行使ができるかどうかの判断について、特定秘密になりうるとの見方を示しました。日本弁護士連合会の大迫唯志副会長は「集団的自衛権の行使が正しかったのかどうか、チェックできないことになる」と指摘します。

 「監視機関」もあてになりません。運用基準では、内閣府に設置される「独立公文書管理監」が特定秘密の指定理由をチェックするといいます。しかし、行政機関の一部で、いわば「身内」。指定を取り消す権限もありません。

 報道統制の危険も残ったままです。「知る権利の保障」が書き込まれていますが、努力義務に過ぎず、実効性は望めません。
 人々の目を覆い、耳と口をふさぐ法律ですが、安倍政権はついに一度も国民に信を問うことなく、施行を強行しました。
 秘密法に反対する全国ネットワークの海渡雄一弁護士は「目的は、市民運動や労働運動を萎縮させること。萎縮せず、廃止の日までたたかい続けよう」と呼びかけています。

戦前の歴史を忘れるな日本ペンクラブが声明

 日本ペンクラブ(浅田次郎会長)は12月8日、「太平洋戦争開戦の日に当たって」と題する声明を発表した。特定秘密保護法をはじめとする政府の動きを「かつての強権的な国家、絶対(主義)の国策の再来」と批判。太平洋戦争に至った歴史の教訓を忘れてはならないと訴えている。

 声明は秘密保護法について、「軍事・諜報情報も不都合な情報も恣意的に隠しおおせるようになった」と指摘。集団的自衛権の発動で、世界のどこでも戦争ができる態勢を整えようとしていることなどとあわせ、戦前と同じ道を歩み始めていると懸念を表明した。

 その行き着く先は「日本国憲法の根幹にある主権在民・平和主義・基本的人権等の精神の簒奪(さんだつ)と否定であろう」と警鐘を鳴らしている。 (連合通信)                                                           
 

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