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2014年 11月27日

「アベノミクス」は不幸の大本
〈暴走政治を検証〉下

「介護難民」「老後破産」促進

 「『アベノミクス』には自信があります。中小企業に恩恵がない? 地方は置き去り? いろんな批判があることは承知しています。しかし、大企業を富ますことで皆が幸せになれるのです。これこそが正しい道です。あれこれ言う野党は間違っています。正しいのは常に私なのです」

 安倍首相が衆議院解散直後に行った会見は、要するにこういう内容でした。

 この経済政策の柱は、株高と円安、そして大企業応援の三つ。金持ちと輸出大企業がもうかる仕組みで、多くの国民や中小零細企業・商店は、物価高に8%への消費増税が加わって、青色吐息です。

 実際、実質GDP(国内総生産)は、今年4―6月期も7―9月期も予想以上の落ち込みでした。「アベノミクス」は、はっきり言って失敗です。首相にはそのことを選挙結果で教えてあげる必要があります。

▼医療・介護を切り捨て

 安倍政権は医療や介護に大なたを振るっています。国の責任を縮小するその姿勢は「介護難民」「老後破産」促進の政治と言わざるをえません。
 介護制度では、特別養護老人ホームへの入所を「要介護度3以上」に限定。約50万人いる入所待機者のうち、入れなくなる人は約18万人で、「保険あって介護なし」という制度発足当初の懸念が現実のものになろうとしています。医療制度では、70~74歳の医療費自己負担1割が、今年4月から2割に引き上げられています(新たに70歳になった人が対象)。
 2014年「骨太方針」では法人税減税を打ち出す一方、社会保障を抑制する方向を明確に打ち出しました。さらに、高度医療から庶民を締め出す「混合診療」の導入も、国家戦略特区をテコに計画。保険業界の意を受けた米国の要望に沿った内容です。命を縮める自公政権に怒りの声を。

▼沖縄の決意、今度は総選挙で

 11月16日投開票の沖縄県知事選挙では、米軍基地の辺野古移設や危険なオスプレイ配備に反対する翁長雄志候補が現職に大差で勝利しました。民意を無視して基地建設を押し付ける安倍政権への強烈な不信任であり、総選挙ではこの流れを全国で大きくすることが求められています。
 政府は当初、基地建設反対の世論に対しては「金と脅しでどうにかなる」とたかをくくっていた形跡があります。昨年、基地建設容認に転じた仲井真知事の例があったからです。
 県民は仲井真氏の裏切り行為を許しませんでした。政府は沖縄経済の現状も知らなかったようです。既に「基地経済は時代遅れ」というのが、県民の認識。逆に軍事基地こそが経済発展を妨げているのです。
 沖縄の決意を具体化する道は国政変革です。総選挙では日本人全体の投票行動が問われています。

▼戦争への道開く特定秘密法

 言論の自由と「知る権利」の抑圧は、民主主義社会の根本を揺るがします。しかも、戦前の歴史に照らせば、戦争への道と軌を一にしています。そんな危ない特定秘密保護法が12月10日に施行されます。法律廃止を求めつつ、選挙では誰が推進したのかをよく思い起こす必要があります。
 さまざまな思想を持つ弁護士集団の日本弁護士連合会も、同法には「秘密指定の範囲があまりに広く…行政の判断次第で秘密指定がなされてしまう」と懸念を表明。政府が隠したいと考える「秘密」に近づいたり、漏らしたりした公務員や市民を厳罰に処するという内容です。
 与党の自民・公明両党が推進し、国民の心配の声を無視して昨年12月に強行採決したのです。その際、維新やみんなの党が小手先の修正で与党にすり寄った事実は消えません。「第3極」が与党の補完勢力に過ぎないことが示されました。 (連合通信)                                                           
 

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