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2014年 6月 3日更新

極限の中で住民の命守る 
東日本大震災で自治体職員の役割
 
岩手自治労連が講演とシンポ

 東日本大震災から3年と2か月、岩手自治労連は自治労連本部などと共同で「3.11岩手 自治体職員の証言と記録」を出版、5月31日には「東日本大震災から3年 自治体の役割を学び合う講演とシンポジウム」を開催し、県内の自治体労働者をはじめ100名が参加しました。

▲「自治体職員は全体の奉仕者」の自覚

 記念講演では、本の監修者でもある晴山一穂氏(専修大学法科大学院教授)が「私達にとっての公務員の役割を考える…『証言と記録』から見えてくるもの」と題して講演。晴山氏は、そもそもの憲法の規定から公務労働者とは何かを説明、特に「すべての公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」ことを憲法条文など引き合いに話しました。さらに公務員制度の原則、歴史、政治・地方自治との関係を明確にされ、東日本大震災では、「自治体労働者が極限の状況の中にあって、自らの犠牲も顧みず、それぞれの持ち場において住民の生命と生活を守るために行動」してきた事を強調、その具体的内容が「証言と記録」に記述されており、将来にわたって非常に貴重な資料であり教訓となりえるものと強調されました。

▲被災しながらも住民の命守る最前線に

 第二部の「シンポジウム」は、井上博夫氏(岩手大学人文社会科学部教授)をコーディネーターに、各自治体から「証言と記録」にもとづきながら、東日本大震災の当時の自ら行動の状況や、震災後から今現在に復旧・復興の取り組み、行政としての課題や職員同士のコミュニケーションの向上の取り組みなどが報告されました。

 陸前高田市職からは、「震災当時の職務として避難所での住民避難の業務とその後は支援物資の管理・配布などの業務に従事しながら、頑張ってきたこと、そして現在は一日も早い復興事業をすすめたいという思い中で、地域住民の要求・要望との間にあって、行政としてどのように調整していくのかという現在の悩みについて」話されました。

 大槌町職からは、多くの職員が犠牲となり、特に管理職や上司不在のもとでの職員の自覚的な活動の重要さ、災害対応マニュアルの現実化の大事さ、派遣応援の職員がプロパー(固有の)職員を大きく上回る職場状況の中で、相互の意思確認やモチベーションの向上の重要さを強調しました。

 大船渡市職からは、自らの住居が流される中、環境・衛生行政業務の課題、普代村職からは、自治体労働者としての思いや、率直になんでも言える、話し合える体制が大切で、それが職員の健康保持にもつながることなどを話されました。
  
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