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2013年11月11日更新

労働条件にかかわる権限を内閣人事局に移管 
「公務員制度改革」関連法案の廃案へ向け
 
衆参内閣委員へ要請行動を実施

  「公務員制度改革」関連法案が11月5日、閣議決定され国会に上程されました。法案の内容は級別定数など労働条件にかかわる権限を、使用者機関である内閣人事局に移管することや、降任をふくむ幹部職員の人事管理強化などを中心にし、労働基本権を制約したまま使用者権限をいっそう強化するものになっています。
 全労連「公務員制度改革」闘争本部は、翌日直ちに衆参両院議員の内閣委員60人に対して、関連法案の徹底審議を求め、とりわけ労働基本権の回復をはかるよう要請しました。 
 参加者は、「2009年の民主党政権時に廃案になったが、級別定数の管理など労働基本権を制約したままで、人事院の第三者機関から政府の内閣人事局へと移管するというものであり、とうてい認められない」などを訴えました。国会会期中であったため、ほとんどが秘書対応でしたが、与党議員でも「党内合意であり要請の内容も議論を終えている」「指摘の内容は問題があると認識している」など反応は様々でした。今後の委員会審議等をにらんだ取り組みの強化が求められます。


「公務員制度改革」関連法案にかかわる要請書


 貴職の国会内外でのご奮闘に心より敬意を表します。

 政府は11月5日、内閣人事局の設置、幹部人事の一元管理などを柱とする「公務員制度改革」関連法案を閣議決定し、国会に提出しました。

 国家公務員制度改革基本法第12条が定める「自律的労使関係制度」の検討が先送りされるもと、法案では、公務員の労働基本権を制約したまま、公務労働者の重要な労働条件である級別定数管理の事務を、人事院から使用者機関である内閣人事局に移管しようとしています。

 そのことは、労働基本権を保障する憲法や、02年以降のILO(国際労働機関)による8度におよぶ日本政府への勧告をも無視するものであり、断じて認められません。

 また、幹部人事の一元管理等については、各省の幹部人事に内閣総理大臣の関与が強められることによって、時の政権党に忠実な公務員づくりがすすみ、行政の中立・公平性が脅かされることになりかねません。

 いま必要なことは、すべての公務員が、憲法が定める「全体の奉仕者」として誇りと働きがいを持ち、国民本位の行政運営が実現できる民主的公務員制度を確立することです。そのためにも、とりわけ、公務員労働者の労働基本権回復は不可欠と考えます。

 つきましては、「公務員制度改革」関連法案の審議にあたって、下記事項の実現に尽力いただくよう緊急に要請します。

                                     記

1.憲法とILO条約・勧告にもとづいて、公務員の労働基本権を回復すること。

2.級別定数管理をはじめとした労働条件にかかわる権限を内閣人事局に移管するなど、使用者権限を強化する「公務員制度改革」を行わないこと。

3.公務員の中立・公平性を確保するための制度的保障として、第三者機関が担ってきた任用の基準設定及び採用試験・研修の企画立案などの機能を内閣人事局に移管しないこと。

4.幹部職員人事の内閣一元管理にあたっては、恣意的な任用を防止するために、第三者機関で基準設定や審査を行うなど、中立・公正性を担保させること。

5.公務員の身分保障を脅かし、中立・公正な行政を阻害しないため、幹部職員の任免や降任について人事の弾力的な運用を行わないこと。 

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