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2013年 8月15日更新

消費税増税を前提に全分野で改悪 
「社会保障制度改革国民会議最終報告書」に抗議
 
自治労連が書記長談話

 自治労連は8月8日、憲法改悪につながる「社会保障制度改革国民会議最終報告書」に抗議する書記長談話を発表しました。

 政府の社会保障制度改革国民会議(座長:清家篤慶應義塾大学長)は8月6日、最終報告書を安倍首相に提出した。

 報告書は、社会保障の財源について「消費税が増税された後でも社会保障財源の不足分を赤字公債で補っている状況が変化する訳ではない」として、消費税増税を既定とした上で、社会保障制度の「持続可能性」を高めることを口実に、医療・介護、年金、保育の全分野にわたって利用料の増額と給付削減を鮮明にすることにより、公的責任を放棄し、国民に負担を求めることを強調する内容となっている。

 具体的な内容では、医療は、70~74歳の患者負担の2割への早期引き上げ、介護の分野では一定所得以上の介護利用料の引き上げと、要支援の保険外し(市町村任せの地域包括推進事業(仮称))など公的保険範囲の縮小、国民健康保険の運営主体の都道府県単位への移行などが大改革メニューとなっている。年金では、不況下でも給付を毎年引き下げるマクロ経済スライドの実施や、支給開始年齢のさらなる引き上げの中長期的課題としての検討。また、保育では公的責任を投げ捨てる「子ども・子育て支援新制度」の推進や営利企業の参入拡大などが掲げられた。

 これまでの社会保障給付について「高齢世代中心」だったと決めつけ、高齢者の負担強化と給付を重点的に削減したことは、世代間分断により、社会保障制度を切り捨てるものであり、断じて認めることはできない。

 社会保障制度改革国民会議は、「社会保障制度改革推進法」に基づき、その具体化をはかるために設置されたものである。この「推進法」は、税と社会保障の一体改悪を進める自民・公明・民主の「3党合意」により消費税増税法と同時に強行されたものであり、その内容は、憲法25条による国民の生存権を否定し、社会保障の基本を「自助・共助」に置き換えるものとなっている。この基本方針は、自民党の「憲法改憲案」に貫かれた「自助・共助」の考え方と一致するもので、実質的な憲法改悪につながるものである。今回の報告書は、こうした「推進法」の性格が如実に現れたものである。

 政府は、この報告書を受け、改革の手順などを定めた「プログラム法案」の大綱を8月21日までに閣議決定し、秋の臨時国会に法案を提出する予定となっている。
 自治労連は、憲法に基づき、国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利の保障を具体化する地方自治体がその役割を発揮するために奮闘してきた。引き続き、国民、労働者の生活と権利を守るために、医療・介護、年金、保育、生活保護など、各分野から関係諸団体との共同を広げ、その根本にある「社会保障制度改革推進法」の廃止、消費時増税反対の運動を一体的に進め、国民的な共同と反撃を強めるものである。

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