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2013年 5月17日更新

 橋下大阪市長は即刻辞職すべき 
 「慰安婦」制度容認発言
 
京都自治労連、京都府職労、京都市職労女性部が抗議


橋下徹氏の「慰安婦」制度・売買春肯定発言に怒りを持って抗議し、
即時辞任を求める
(自治労連書記長談話談話)

 橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表は、13日夕、記者団に対し、今月初めに沖縄県の米軍普天間飛行場を訪問した際、司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と進言した、と述べた。同時に、戦時中の旧日本軍の慰安婦について「猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」などと発言した。さらに、「政府自体が暴行・脅迫をして拉致したという事実はいまのところ裏付けられていない」「事実と違うことで日本が不当に侮辱を受けている」などと、「慰安婦」制度への政府の介在を否定した。

「従軍慰安婦」制度は、戦争の非人間性を具現化したものであり、現在も多くの被害者が「生きている間に解決を」という悲痛な訴えを行っている。私たちは、慰安婦制度と売買春を肯定し、女性の尊厳を踏みにじる一連の発言の即時撤回を求める。同時に、このような人権感覚を持った人物が自治体の首長であり、政党共同代表として国政にもかかわっていることを認めることはできない。

 そもそも日本政府は、「戦時慰安婦」問題については決着済みという態度をとり続け、内外の批判に耳を貸さず、公的謝罪を拒否してきた。安倍首相は、この問題への日本軍の関与と強制を認め謝罪を表明した「河野官房長官談話」(1993年)の見直しを表明した経緯もあり、政府自体の歴史認識が厳しく問われている。このような政府の姿勢が橋下氏の発言の背景にあることは、指摘しなければならない。また、日本維新の会自体も主張している憲法改悪など「戦争のできる国づくり」の策動の中で、「国益」のためには個人の犠牲をいとわない風潮が作り出されていることも、発言と無縁ではない。

 橋下氏と日本維新の会は、これまでも大阪市職員に対し、組合活動参加や支持政党などを問う思想調査を行おうとし、職員に対し、住民でなく自分の方を見て仕事をしろと訓示するなど、憲法に定められた基本的人権と公務員の役割を真向から否定する発言と行動を繰り返してきた。私たちはそのたびに撤回と謝罪を求めてきたが、ここにいたり、橋下氏に公人としての地位を許しておくことは、国際社会に対しても恥ずべきことと考える。
橋下氏は即刻大阪市長及び日本維新の会共同代表を辞任するべきである。

 いま、人権を尊重し平和と核廃絶を求める国民の願いはますます高まっている。自治労連は、広範な国民と共同し憲法を活かし、人権が守られる職場と自治体をつくるため、いっそう奮闘していく決意である。

▼京都自治労連、京都府職労、京都市職労女性部が抗議文送付

 京都自治労連女性部と京都府職労女性部、京都市職労女性部は連名で、「日本維新の会」共同代表・大阪市の橋下徹市長の「慰安婦」制度容認、売買春肯定発言への抗議と謝罪・撤回を求める文書を送付しました。

「『慰安婦』制度は必要だった」―女性の人権踏みにじる
橋下市長の暴言に強く抗議し、撤回と謝罪を求める

 私たちは、橋下大阪市長が5月13日に「『慰安婦』制度は必要だった」と語り、さらに米軍海兵隊司令官に「風俗業を活用してほしい」と求めるなど、女性の人権を踏みにじる度重なる暴言に驚きと怒りを禁じ得えません。

 昨年8月にも「慰安婦」強制の事実を否定する発言をされ、批判が集中しましたが、それを上回る許し難い暴言です。

 「慰安婦」の悲惨な実態については、1993年の河野洋平官房長官談話も「軍当局の要請により設営された」ものであり、「強制的な状況下での痛ましいものであった」ことを認めています。女性を人間として扱わず、人権を著しく侵害した犯罪行為であり、国際機関は繰り返し、日本が責任を認め、謝罪することを求めています。韓国はじめ、アメリカ、カナダ、EU議会でも決議されています。

 国内でも多くの自治体で早期解決を求める意見書が採択され、2010年10月には大阪市会でも「河野談話に矛盾しないよう『慰安婦』問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復とともに、今日なお存在する女性への暴力・人権侵害の解決に向け、誠実に対応されるよう強く要望する」意見書が採択されています。

 こうしたなかでの橋下市長の発言は、驚くべき歴史認識、人権感覚の欠如を示すもので絶対に許すことはできません。「戦時における性暴力」を「仕方なかった」「時代が時代だった」と肯定するたび重なる暴言は、大阪市政の先頭にたつ市長としての資格が問われる恥ずべきことです。国際都市大阪市の市長としてふさわしくありません。

 ただちに発言を撤回し、歴史的認識を真摯にただすとともに旧日本軍「慰安婦」とされた女性の人権を幾重にも踏みにじったことへの謝罪を強く求めます。


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