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2013年 9月19日

   元法制局長官が相次いで「無理だ」
集団的自衛権

解釈変更は自殺行為

 「改憲しないと行使できない」「解釈改憲は邪道」―憲法の解釈を変更して集団的自衛権の行使容認を目論む安倍首相に、「法の番人」とも呼ばれる内閣法制局長官の経験者たちから批判が相次いでいます。

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 「集団的自衛権は本当に9条に抵触するのか」。その行使を容認して米国との関係強化を図りたい安倍首相。従来の解釈に疑問を呈し、私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)に、議論のうえ報告書をまとめるよう指示しました。また、政府の法の統一見解をつくる内閣法制局の長官に、行使容認に前向きな小松一郎氏を抜擢。着々と準備を進めています。

▲国民の判断仰げ

 しかし、そんな首相に「待った」の声が。内閣法制局の元長官4人が憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認に、否定的なコメントを発信しているのです。

 そのほとんどが「行使を容認するには改憲が適当」というもの。改憲には国会議員の3分の2以上の賛成に加えて、国民投票で過半数の賛成を得る必要があります。つまり、元長官たちは「集団的自衛権は国民の平和や命にかかわることだから、政治家だけで決めずに国民の判断も仰ぎなさい」と述べているわけです。

 現在の国際情勢の中で集団的自衛権は本当に必要なものなのか。安倍首相がそう信じるのならば、真正面からその理由を国民に説明し、理解を得る必要があります。

▲集団的自衛権とは?

 同盟国などへの武力攻撃を自国への攻撃とみなして反撃できる権利で、国連憲章が各国に認める自衛権の一つです。日本政府は、海外での戦闘行為が武力行使や交戦権を否認している憲法9条に違反するとして、「行使できない」との見解を示してきました。仮に行使できていたとしたら、日米安全保障条約で結ばれた米国による戦争、つまり朝鮮戦争やベトナム戦争、イラク戦争などに日本が巻き込まれていた可能性は大きかったのです。  
 

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